名古屋駅前の弁護士 過払い金と民事再生(1)

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コラム

■過払い金と民事再生(1)

東証一部上場の消費者金融だったクレディア(現フロックス)が民事再生を申し立て、東京地方裁判所から民事再生手続開始決定が出されたのは平成19年9月21日のことでした。その後もアエル、SFCGが民事再生を申し立てるなど(SFCGはその後破産手続に移行)、消費者金融の淘汰もいよいよ佳境に入ってきた感があります。

こうした現状は債務整理・過払い金の回収を希望される方にとっても影響のあることですが、民事再生という制度について良く分からないという方も多く、法律相談の際にも少し説明が必要な部分なので、一度整理をしてみましょう。

■民事再生とは

昨今の不況により、大手企業の民事再生申立がしばしば報道されていますから、用語自体には聞き覚えのある方も多いかと思います。再生という名称がついていますが、破産、会社更生とともに「倒産」の一類型です。

会社の民事再生手続は、破産とは異なり会社がそのまま営業続行することを想定しています。旧経営陣が退陣せずそのまま経営を続けることも多く、現状をあまり変えないまま、債権者の同意を得て一定割合の債務を免除してもらうことによって経営再建を目指すという手続きです。

「過払い金を取り返したい」とお考えの方にとって、金融業者が民事再生手続に入るということは、過払い金を満額回収できないおそれが高まるということを意味します。金融業者に対して過払い金を請求できるということは、その方は金融業者に対する「債権者」という立場ですが、この債権が民事再生手続によって、何割かカットされてしまう可能性があるのです。

■再生手続きの流れ

民事再生手続の開始決定が裁判所から出されると、債権届出を受け付ける期間が設けられます。民事再生手続は、債権者の同意を得て債権の一定割合を免除してもらうという制度ですから、そもそも誰が債権者なのか、誰がいくらの債権を持っているのかを確定しなければ話を進めることができません。そこで一定の期間を区切って債権の届出を受け付けつつ、債務者の側でそれぞれの債権について認める・認めないという認否を行います。そうしていくと債権者数や債権額の全容がハッキリしてくるというわけです。

こうした調査と同時進行で、再生計画案が立てられていきます。債権者はこの再生計画案に賛成するか反対するかを投票することができますから、過払い金請求権を有する元顧客の方々も、債権者の一人として債権届を行うことになります。
ちなみに再生計画が通るためには、「議決権者の過半数の賛成」「総議決権債権額の2分の1以上を有する者の賛成」という2つの条件をいずれも満たす必要があります。後者の条件は、貸し付け額の多い銀行などの影響力が強いと思われますので、過払い金請求権を有する個人の債権者は、前者の条件(頭数の半分以上)をクリアするために影響力のある立場となるでしょう。

■債権カットの再生計画に賛成する理由

債権者の同意を得て債権をカットし経営再建する制度、と書きましたが、どうして債権者は、こうした債権カットに同意するのでしょうか。
例えばクレディアの出した再生計画案を見ると、過払い金については「30万円か40%の多い方」について一括で返還するという内容となっています。つまり過払い金請求権が30万円未満であれば全額が返還されますが、過払い金の請求権が70万円の場合では、(70万円の40%は28万円で30万円の方が多いため)返還額は30万円となり、70万円のうち40万円は合法的に支払を免除されてしまいます。
クレディアは債権者の賛成を得て再生計画を可決させましたが、債権者がこうした再建カットに応じる理由は何なのでしょうか。

結論から言うと、仮に再生計画が通らなかった場合、こうした債務者は経営再建が不可能であるとして破産となってしまい、債権者はより低い配当しか受けられなくなる可能性があるためです。

民事再生手続では、その会社が仮に破産して所有財産を全て換価した場合、債権者にどれくらい配当できそうかという「破産した場合の配当率」を算出します。再生債務者側は、これより高い配当率の再生計画案を出すことで、「再生計画案に賛成したほうが配当率も高くなり、債権者にとってメリットがある」と債権者を説得して賛成を得ようとするわけです。

これは「仮に破産した場合」という仮定を含んだ計算ですから、債権者にとってどちらが得なのか判断することは中々難しい問題です。また、破産されてしまうより返還額が高くなるとはいえ、本来支払ってもらうべき額から大幅なカットをされてしまうわけですから、債権者としては決して歓迎できたものではありません。このまま破産されるよりはましであるという苦々しい判断なのです。

返済率の割合もしばしば問題となります。例えばアエルの出してきた再生計画案ですと、返済率が一律5%です。過払い金が100万円出ていてもアエルは5万円しか払わず、残り95万円の支払を免れて会社を存続させたいという内容の会社再建計画なのです。
当事務所に依頼されている方々も大変に複雑な面持ちで、全く返金がないよりはマシと賛成した方、あまりにもふざけていると反対票を投じた方と両方いらっしゃいます。これまで必死に支払いを続けた結果として過払い金の出ている方々にとって、非常に納得のいかないことであると思います。

このように金融業者が民事再生手続に入ってしまうと、過払い金の回収が大変難しくなってしまいますので、ともかく過払い金の回収は早めに行う必要があるわけです。

<2009.4.15>

※当コラム掲載文は、執筆当時の状況に基づいた内容となっております。法令・判例の変更や状況の変化等が生じている可能性もありますからご注意下さい。最新の状況については、当事務所の無料法律相談にてご説明しておりますので、お気軽に相談予約をお申し込み下さい。

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