■過払い金の早期回収について
過払い金の回収に限りませんが、「支払おうとしない相手からお金を回収する」ということは、そう簡単ではありません。各消費者金融・カード会社とも、膨大な件数の過払い金請求を受けて経営が苦しくなっていますから、その抵抗はますます強まっています。
武富士を例に見るまでもなく、大手金融の倒産も現実的なものになっている状況ですから、過払い金をできる限り早く払ってもらう、ということは大変重要なポイントです。
■過払い金の請求を受けた消費者金融・カード会社の思惑
過払い金の返還請求をすると、相手の消費者金融・カード会社は様々な形で抵抗をしてきますが、実際には各社とも、最終的には過払い金を返金しなければならないという事自体は分かっていると思われます。ただ、「全額は返したくないし、すぐには返したくない」のです。
会社によって程度は異なりますが、「出来る限り返還額を値切ること」「出来る限り支払い時期を先延ばしすること」という2点が、過払い金請求を受けた会社の考えている基本的な目標と考えてよいでしょう。
この「金額」「支払時期」について、たとえば金額面で妥協して「満額の2割でよいから、早めに返してほしい」といったご希望であれば、一般論としては比較的通りやすい方向になるかと思います。さらに支払時期も妥協して、「支払は和解日から1年後」といった条件であれば、よりハードルは下がってくるでしょう。 このように大幅にハードルを下げた解決内容で差し支えなければ、弁護士にご依頼をされなくても、ご本人が自力で交渉して解決することは十分可能と思われます。ただ、やはりこのような結末では納得がいきませんよね。
「回収金額を満額に近づける」ことも大変重要ですが、さらに「速やかな回収」まで実現しようとすれば、相手方である消費者金融・カード会社の目標に真っ向から反してきますから、より激しい抵抗が予想されます。とはいえこうした高いハードルへの挑戦も、交渉や裁判を効率良く進めることで、より成功確率を高めることができるものですから、当事務所ではご本人のご希望をお伺いしながら、積極的な回収に挑んでいます。
■裁判と交渉という手段について
過払い金を請求する際、裁判を起こしていくか、相手会社との交渉によって解決するかはケースバイケースであり、全く分けて検討すべきものでもありません。
例えば、プロミスなどに過払い金請求書を送っても、担当者まで処理が回って交渉できる状態になるまで1ヶ月も2ヶ月も待たされることがあります。また、ようやく出てきた支払い提示は、金額が低い上に「支払いは和解日から1年後」であったりするので、交渉のみで早期解決することが最初からあまり期待できない会社もあるのです。
こうした場合、ともかく速やかに裁判を起こして裁判期日を入れてしまい、こちらの請求に対応せざるをえない状態にしてしまうことも選択肢の一つです。もちろん、この場合でも裁判上の解決にこだわる必要はありませんから、同時進行で交渉を進め早期解決を試みてまいります。もし裁判外での交渉が折り合わなかった場合には、そのまま裁判を続行して速やかに判決を得る方向で進めていくことになります。
訴訟を進めていく上で特に不利な点が無く、全額認容判決が見込めると思われる件であっても、相手の提示してくる支払金額が判決の場合と大きく違わず、支払時期がより早まるのであれば、判決を待たずに交渉を進めて和解するという選択肢にも検討の価値があるでしょう。
このように、複数の解決方針を視野に入れながら、状況の進展に応じて最善と思われる対応を進めてまいります。重要な判断が必要となる部分では、ご本人に詳しく状況と見通しをご説明しますから、どちらを選択するかはご本人に判断して頂くことになります。
■裁判自体の長期化という問題
裁判にかかる時間は、期日を何回やるかによって全く変わってきます。裁判の期日は1ヶ月〜2ヶ月の間を置いて入りますから、判決までに実施される期日が1回か3回かでは、解決までの期間が数ヶ月も変わってきてしまうのです。
アイフルなどは証拠を小出しにしてきて、「次回もさらに証拠を出します」と期日の続行を求めてくるのが常套手段になっていますから、こうした相手のペースに付き合っていれば裁判の長期化は避けられません。最終的に期日を何回やるかは裁判官の判断となりますが、主張や反論を無駄なく進め、速やかに弁論終結してもらえるよう主張していくことが大変重要と考えています。
■判決となった場合
判決が出ると、大手の消費者金融・カード会社については今のところ比較的スムーズに支払いをしてきています。ただ、判決が出ると電話をしてきて「返金額を減額しないと控訴する」などと迫ってくる業者もありますから、全額認容判決が出てもまだ安心はできません。
これは結局「どこまで徹底的にやるか」という話なので、ご本人のお気持ち次第の部分です。 当事務所としては、控訴審で結果がひっくり返ってしまうようなリスクが大きければ、判決が出た後でも和解という選択肢も検討するかもしれません。そうしたリスクがなく、もしご本人が満額回収を希望されるのであれば、当事務所としては控訴審も徹底的に争っていくことを考えています。ただ控訴審まで争うということになると、解決までの時間は確実にかかってしまいますから、その点については十分ご検討頂きたいと思います。 いずれにしてもご本人にご相談しながら進めますから、「徹底的に回収したい」「倒産が怖いので、ある程度のところで手を打ってもよい」など、ご本人のお気持ちは率直におっしゃって下さい。
■これまでの回収実績について
過払い金を請求されている消費者金融・カード会社は、ある程度規模が大きい所であれば、「どこの弁護士がどの程度の回収率で仕事をしているか」というデータを取っており、回収方針の厳しい事務所と、そうでない事務所を把握しています。
当事務所では、支払提案の内容が不十分であればすぐ裁判を起こし、利息も含めて満額回収の方針で強気に進めていますから、東海地域でも相当に高い水準での回収実績を築いてきたと言ってよいかと思います。
結果的に裁判をせず早期回収に成功している案件が当事務所では相当数ありますが、こうした積極的な回収実績を何年も積み重ねてきたことが相手への圧力となって、交渉段階でも比較的よい内容の提案を引き出している部分もあると感じています。
このような事務所としての実績に根ざした進め方というものは、あまり表に現れてこないため分かりにくい部分ですが、なかなか無視できない部分ではないでしょうか。
■まずは法律相談を
せっかく判決や和解で解決し、支払い日を楽しみに待っていたのに突然倒産、という事態はこれまで何度もあったことですが、こうなるとご本人にとっては経済的にも精神的にもかなり辛いことになってしまうと思います。
「信用情報が心配」といった理由などで、弁護士に依頼をしようか長いこと悩んでいる方がみられますが、過払い金については時間を置いて状況が良くなるということは、基本的には無いと思われます。
より速やかなご相談・ご依頼が、より早期の過払い金回収に直結してくるわけですから、これまでも再三お勧めしてきたことではありますが、まずは早めの法律相談をお勧めします。
<2011.9/29>
※当コラム掲載文は、執筆当時の状況に基づいた内容となっております。法令・判例の変更や状況の変化等が生じている可能性もありますからご注意下さい。最新の状況については、当事務所の無料法律相談にてご説明しておりますので、お気軽に相談予約をお申し込み下さい。
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