名古屋駅前の弁護士 平成24年の過払い金回収状況

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コラム

■平成24年の過払い金回収状況

平成24年になり、過払い金の回収状況にもまた少し変化が見られました。既に決まっている手続きが進行したものもあれば、悪い方向に状況が変わったものもあるので、簡単にご紹介したいと思います。

■武富士

経営破綻し会社更生法による経営再建中の武富士から、過払い金の返金が始まっています。ご本人で手続きをされた方も、そろそろ返金を確認されたでしょうか。

当事務所でも平成24年が明けてから大量の返金が確認されましたが、個別案件ごとの返金額で見ますと、1件あたり10万円を超える返金があったケースは少なく、数万円から数千円という件が多いかと思います。これは今回の返金率が、満額の3.3%という低さであるためです。
例えば、武富士に対して本来は300万円の過払金を請求する権利があった方でも、今回の返金では9万9000円しか戻ってこないのですから、本当にひどい話だと思います。とはいえ、この返金方針を含む更正計画は既に裁判所で認可されていますから、残念ながらこの手続に沿った所定の返金を受ける以外の方法はありません。

なお、武富士の更生計画では2回の弁済が予定されており、今回は1回目の弁済となります。また2回弁済の前にも、場合によっては中間弁済が実施される可能性もあるとのことですが、いずれにしろ次の返金について詳細な時期・返金率などはまだ未定となっており、現在は武富士からのアナウンスを待っている状態です。したがって、よくご質問を頂く「結局トータルでいくら戻ってくるのか」というご心配については、現段階ではまだお答えすることができません。
ご依頼を頂いている方々には、まだ少しお待たせするかたちになってしまいますが、また個別にご連絡を差し上げますので、宜しくお願い申し上げます。

■丸和商事(ニコニコクレジット)

昨年経営破綻した丸和商事も民事再生中となっており、過払金などの支払債務を法的に大幅カットしてもらうことで経営を再建しようとしています。 問題の返金率については、武富士よりも更に低い1.65%ということで再生計画が認可されています。
武富士のように2回目の返金という話も予定されていないため、これがトータルの返金率で、残り98.35%の過払金を丸和商事から回収することは不可能という結論になります。これくらい低いと、ほとんど戻ってこないと言っても差し支えない水準とも思えてきます。

所定の弁済期限は平成24年4月15日ということですから、ようやく依頼者の方々に回収をご報告できる時期が近づいてますが、本来は数十万円から数万円という請求権があった方も、返金予定額額は数千円から数円と、お知らせするのが苦しくなってしまうような数字となってしまっています。
ともかく今後回収できた分については、順次ご報告を差し上げたいと思います。

■フロックス

旧クレディアは平成19年に経営破綻し、民事再生手続を経てフロックスとなり経営再建中です。フロックスは他の破綻会社に比べると、比較的高い返金率を維持していたのですが、ここのところは判決に基づく過払金の支払いを一部拒否するようになってきました。任意交渉で和解が成立した件については今のところ約束通りに支払ってきているので、裁判で過払金の支払いを命じる判決が出た件について、満額の支払いをせずに居直ってきたということになります。
少し込み入っていますが、詳しくご説明すると以下のような話です。

フロックスの場合、旧クレディアにおいて平成19年9月20日までに生じていた過払い金(再生債権)については、「上限30万円または満額×40%の高い方」という基準に沿って、比較的素直に支払ってきます。また、これは裁判所で認可された再生計画の返金水準なので、たとえ裁判を起こしたとしても、これ以上を支払わせることは出来ません。
過払い金が再生債権だけの方というのは、裁判を起こすまでもなく、フロックスとの交渉によって比較的スムーズに回収できることが一般的です(ただ支払時期については、和解してから3ヶ月程度先になることが多いです)。

今回、支払状況が悪化したのは平成19年9月20日以降に生じた過払金(共益債権)についてです。
共益債権は全額返金というのが当初の方針だったので、当時既に過払い状態だった方であれば、平成19年9月21日からフロックスへ支払った返済額は、その全てが返還されていました。
しかし、その後フロックスは次第に満額の支払いを渋るようになり、現在では満額の2割3割といった支払を提案してくるようになっているので、当事務所でも裁判を起こして満額回収を目指す案件が増えていました。実際は控訴されて裁判が長期化するのを防ぐために、判決を得てから訴訟外で少し減額して和解することもありますが、いずれにしろ共益債権について回収額を増加させるために、一度は裁判を起こすことが多かったのです。

今回フロックスは、控訴して引き続き裁判で争っていた件について、次々に控訴を取り下げてきました。控訴を取り下げると、フロックスに過払い金の支払いを命じた第一審の判決が確定しますが、フロックスは「それでも共益債権について満額は支払わない」と表明してきました。同じ頃に判決が出た件についても、そのまま判決が確定するのに任せて同様の対応に出ています。正面から法的に争うのを止めて、とにかく全部は払わないと居直ってきたのです。共益債権について、裁判で判決が出た件も含めて、交渉段階で提示してくるような低い割合まで返金水準を引き下げてきたということになります。

今回の話は、フロックスに完済してから何年か経った方よりも、最近までフロックスに返済を続けていた方の方が、共益債権の額が大きくなりますから、より影響を受けることになります。
フロックスは従来から過払い金の返金方針について一定しない部分があり、今後どうなるか読みにくい部分もありますが、このように確定判決すら無視して開き直ってくるということは、他社の例を見てもあまり良い傾向とは言えないように思います。
現時点では、案件ごとに実際の返還割合などについても交渉を進めつつ、個別に方針のご相談をさせて頂いておりますが、今後も注意が必要な会社の一つかと思います。

■ユアーズ

平成24年が明けて草々、ユアーズから「支払い予定になっている過払金の返金ができません」というファクスが送られてきています。前々からこの会社は危険水域と思われましたが、また次の段階に進んでしまったようです。現状、数ヶ月以上前に和解して支払を待っていた件について、約束通りの入金がされていません。

ユアーズは交渉で引き出せる支払水準が非常に低い上、大手金融のように裁判を起こしたとしても回収金の増額につながりにくいため、従来から方針検討が難しい会社の一つです。
ユアーズの銀行口座に対する差押も、少額の預金残高に多数の差押が競合してしまいがちで、あまり積極的にはお勧めしづらい解決手段ではあったのですが、今回ユアーズがこのような支払拒否に出てきたことで、さらに差押の競合が増えて強制的な回収がより難しくなっていくことも懸念されます。

ユアーズは現在、和解した内容通りの支払いを停止する一方で「支払額の再提示に2〜3ヶ月かかる」「1割程度なら支払う」などと言ってきており、今後どのような方針となるのか不透明な状態ですが、状況としてはかなり悪化していると言わざるを得ないでしょう。難しい判断となってしまいますが、こちらも個別に方針をご相談させて頂きたいと思います。

■今後の見通し

以上のように、全体的に良い内容のご報告にはなっておらず、以前からお知らせしてきた通り、時間が経てば経つほど状況は悪化していくという流れが今年も続くと思われます。

武富士の時を思い返しても、あと1ヶ月でも早くご依頼を頂いていればと残念に思えてならない件が複数ありました。こうした金融会社が、過払金を支払えなくなる「その日」に間に合っていたかどうかで、場合によっては数十万円から数百万円を取り戻せていたかどうかが変わってきてしまうのです。
過払い金の回収業務自体は極力急いで進めておりますが、ご依頼自体が後になればなるほど、条件としては不利になってしまいます。ともかく早めに動き出すということが従来にも増して重要となっています。

<2012.2.17>

※当コラム掲載文は、執筆当時の状況に基づいた内容となっております。法令・判例の変更や状況の変化等が生じている可能性もありますからご注意下さい。最新の状況については、当事務所の無料法律相談にてご説明しておりますので、お気軽に相談予約をお申し込み下さい。

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