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コラム

■会社・法人破産における、社長の立場・責任は?

会社が倒産することになった場合、中小規模の会社では社長(代表取締役)が事業融資の連帯保証人になっていることが多いため、会社の自己破産申し立てと同時に、社長個人についても自己破産を申し立てるケースが数多くみられます。

会社(法人)の自己破産は、会社財産の換価や債権者に対する配当などが中心的な手続内容となりますが、元経営者個人の自己破産手続では、連帯保証している事業融資の負債や、資金繰りのために個人名義で消費者金融から借りた負債などを免責してもらって、新しい生活をスタートできる環境を作ることの方に、実際上の目的があると言えるでしょう。会社は自己破産により消滅しますが、元経営者の方個人にはその後の生活もありますから、こうした手段で負債から解放してもらうことが必要となるのです。

一般的に、元経営者の自己破産と、会社の自己破産は同時に裁判所へ申し立てられ、共通の破産管財人がつき、同じ日に債権者集会が行われるという様に、足並みを揃えて進んで行くので、一体の手続きのように見えるかもしれません。しかし会社と元経営者は破産事件としては全くの別件ですから、その点は区別して考えていただければと思います。
会社の自己破産において、実際に破産手続が始まった場合、元経営者の立場はどのような状態なのか、よくご質問のある事項についての簡単な解説をまとめたので、経営者の方は一度ご覧下さい。

■破産会社の元社長には、どういう義務がありますか?

破産手続中、破産者は裁判所や破産管財人の調査に協力し、必要な点について適切に回答する義務があります。元経営者の方は、破産会社の代表という立場であると同時に、ご自身の破産事件に関しては当事者であるという2つの立場を有しています。したがって、会社とご自身、いずれに関する調査や照会があった場合も、裁判所と破産管財人に対して、迅速適切に回答をしなければなりません。もちろん、当事務所が適切な対応となるよう引き続きお手伝いしますが、特に破産会社に関する事項は、元代表者の方が一番よくご存知かと思いますから、ご協力をお願いいたします。

■新しい仕事を始めてよいですか?

もちろんOKです。むしろ、早く次の仕事を軌道に乗せて、新しい生活をスタートさせていただきたいと思います。会社の破産は、申し立てをしてから終結するまでに半年以上、場合によっては1年以上かかるケースもあり、いつ終わるのかという見通しが、特に最初のうちは立てづらい傾向があります。しばらくご自宅で静養されるのもよいですが、環境が落ち着いてきたら、少しずつ今後の計画を立てられるとよいでしょう。

■新しい仕事で、給料や財産を得た場合はどうなりますか?

自己破産の申立書類を裁判所に提出し、裁判所が「破産手続開始決定」を出すと破産手続が始まります。この「破産手続開始決定」が出された時が、破産手続における財産と負債の内容を決定する時点となります。基本的には、破産手続開始決定が出た日(決定書に書いてあります)が基準になるとお考え下さい。(以後「決定時」といいます。)

元代表者の方個人の破産事件について言えば、まず「負債」については、この決定時に発生していた負債が、今回の破産手続による免責の対象となります。逆に言えば、決定時以降に発生した負債は、今回の破産手続によっては免責されませんから注意してください。

次に「財産」については、決定時に元代表者個人の有していた財産が、今回の破産手続による換価配当の対象になります。したがって、決定時以降に得た財産を、今回の破産手続によって失うということは、原則的にはありません(後述)。 この部分は重要なところですから、是非とも覚えていただきたいところです。

繰り返しになりますが、破産手続開始決定時以降に、元代表者の方が取得した財産は、原則的にはご本人のものになります。したがって、決定時以後の労働で得た給料などは、ご本人のものであり、原則的には破産手続の中で換価配当の対象にはなりません。

ただし、財産を得る原因・根拠自体が決定時より前に存在しており、決定時以後にこれが現金化しただけと見なされるような場合は別ですから、判断が微妙なものは個別に検討が必要です。

また、例えば決定時以前の不正な使い込みが発覚したような場合には、それと同額ないし相当な金額を、破産財団に組み入れるよう破産管財人から指示される場合があります。こうなると、どうにかして組み入れ資金を工面する必要がありますから、結果的に決定日以降に得た給料の中から、お金を出さざるを得ないというケースも考えられます。このように、実際には様々な展開がありうる点には注意する必要があるでしょう。

■引越をしてよいですか?

新しい仕事を始めるにあたり、引っ越しをする必要が生じるケースもあります。
破産手続が終わっていない段階では、裁判所の許可なく住居を移転することができないので、予め次の引っ越し先、引っ越し日、引っ越しの目的などを裁判所に伝え、移動の許可を得る必要があります。当事務所では、こうした許可申請も全てご本人の代わりに行っていますから、引っ越しが決まった段階で速やかに当事務所までお知らせ下さい。

■高価な買い物をしても大丈夫ですか?

一般論で言えば、決定時以降の労働で得た給料などをどう使っても、破産手続開始決定後の生活態度について明確に定められた制限はありません。
ただ、破産手続開始決定が出た段階というのは、まだ「免責」(負債の支払義務が免除されること)が出ていない状態です。破産に至った経緯にもよると思いますが、あまりにも反省の見られないような生活態度があったとして、免責判断に何も影響がないとは言い難いように思います。当事務所としては、破産によって多数の債権者に不利益を被らせた事実をきちんと受け止め、慎重に生活することをお勧めしています。

■借金をしても大丈夫ですか?

自己破産した場合、一般的な金融機関や消費者金融は貸し付けの審査を当分の間は通さないので、まともな会社からの借入はそもそも不可能と思われますが、官報公告で破産者の住所をチェックしているヤミ金融や悪徳業者などが「借り入れできますよ」というチラシを送りつけてくることがあるので注意してください。破産手続中に新たな借金などが発覚すれば印象は最悪というほかありませんし、たとえ破産手続が全て終わった後であっても、元の多重債務状態に逆戻りしてしまう危険があります。 せっかく意を決して今回の破産に踏み出したのですから、収入の範囲内で計画的に生活することを心がけてください。

■財産を残せますか? 個人資産を会社の負債のために失いますか?

「会社の財産」と「元代表者個人の財産」を分けて考える必要があります。元代表者の個人資産は、現金化されて元代表者個人の債権者に配当されることはあっても、経営会社の債権者に配当されることはありません。
また、元経営者の個人資産についても、何もかも債権者への配当のために差し出さなければならないものではありません。日常生活や経済的再建に必要な最低限の資産は、「自由財産」として一定の枠内で手元に残すことが許されていますから、「何もかも失って無一文になる」という様なことではありません。

なお、この自由財産の額は、一般的には99万円が上限とされています。預金・現金はもちろん、生命保険であれば解約した場合の返金額を試算して価値を換算し、自動車であれば査定を取って換算し、全ての財産をお金に換算した上で、全て合計した価値の上限が99万円までという意味です。

ただ、この99万円というのはあくまで上限であって、全てのケースで上限99万円まで自由財産の拡張が認められる訳ではありませんから注意してください。
例えば、生活状況が安定しており99万円もの財産を残す必要がないと判断されたような場合のほか、特定債権者への不当な弁済・本来であれば破産管財人へ引き継ぐべきお金の使い込みなどがあった場合に、相当額の自由財産拡張申立を否定し、その分のお金を財団に組み入れるといった調整が行われる場合もあります。こうした内容についても、法律相談や正式ご依頼後の打ち合わせにて、詳しくご説明を差し上げたいと思います。

<2012.11.13>

※当コラム掲載文は、執筆当時の状況に基づいた内容となっております。法令・判例の変更や状況の変化等が生じている可能性もありますからご注意下さい。最新の状況については、当事務所の無料法律相談にてご説明しておりますので、お気軽に相談予約をお申し込み下さい。

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