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コラム

■自己破産者の減少と多重債務問題の現状

■自己破産者数の減少傾向

平成18年の貸金業法改正を受け、かつては年利30%近い高金利で営業していた消費者金融も年利を18%以下に改定する動きが進んでおり、昨今ではこういった広告を電車内などでも目にするようになりました。最高裁判所の統計によれば、自己破産申立事件の受理件数は平成15年度の24万人をピークに、毎年2万人前後の減少となっています(文末資料参照)。

パーセンテージで言うと前年度比で毎年10%台減という”右肩下がり”のペースであり、かなりの勢いで自己破産者数が減少していることが伺えます。貸金業法の改正だけでなく、貸金業者の規制を強化したヤミ金融対策法の成立(平成15年)、破産手続の合理化・迅速化を基本理念の一つとする改正破産法の成立(平成16年)など、多重債務問題に対する社会的な取り組みの成果が着実に数値として現れてきていると言えるでしょう。

■現場から見る多重債務問題

しかしながら、一方では現在でも全国に100万人以上の多重債務者が存在すると推定されており、多重債務問題の解決がいまだ道半ばであることも事実です。

当事務所では東海地域を中心とした個人・法人の法律相談を広く取り扱っていますが、債務整理に関する法律相談については昨年度分で300件超を実施し(うち破産案件は2割程度)、予約状況は今年度に入ってからも大差ないペースで推移しています。
現場の視点からこういった社会的現象の全体像を俯瞰することには限界もありますが、やはり多重債務問題が終息傾向にあるとは言いがたい状況とみるべきではないでしょうか。破産することもできないまま地方から都市部に夜逃げしてきたり、借金苦から自殺した債務者の遺族から相談を受けたりと、無用に事態が悪化してしまっているケースも散見され、もっと良い解決の形があったはずと残念な気持ちになるものです。

近年は市役所の無料法律相談や法テラスの窓口などが各地に設置されており、インターネットへの接続環境も相当に敷居の低いものとなっているなど、弁護士へのアクセスは数年前よりも飛躍的に容易となっているはずです。にもかかわらず、なぜこういった惨状がいつまでも続いているのでしょうか。

■市民に身近な司法の必要性

この原因についての実感を端的に言ってしまえば、市民にとって弁護士というものが、まだまだ何やら恐ろしく、相談しにくい存在と感じられていることが一つの要因となっていると思います。

多重債務問題の法律相談を日々実施している際に悩ましく思うのは、問題が相当に悪化してからでなければ相談に来ない市民の割合が予想以上に高いことです。最後の最後まで追い詰められた状況になって観念したとき、言い換えれば”弁護士の恐ろしさ”を”取り立ての恐ろしさ”が上回ったとき、ようやく消極的に法律事務所の扉を叩くという傾向があるわけです。破産という言葉が連想させる人生の敗北者のようなイメージや、公民権が停止されるなどといった意味不明の誤解が、これに拍車をかけています。

■多重債務問題における今後の課題

このような現場の状況からすると、自己破産者が順調に減少しているという統計も、弁護士へアクセスすることへの心理的抵抗が比較的軽い層を中心とした多重債務問題の解消傾向を示すものにすぎない可能性があると思います。
弁護士会の広報努力や弁護士広告の解禁などによって、自己破産をはじめとする法的な解決方法の選択肢自体は一定の認知度を獲得してきてはいますが、本当の意味で市民に身近な司法を実現することが、多重債務問題の解決においても今後の重要な課題になってくるでしょう。

昨今の自己破産案件は、一般的にイメージされがちな浪費やギャンブルなどを原因とするものだけでなく、母子家庭や離婚者、低所得労働者などが生活苦を原因として借り入れをしてしまうケースが多数を占めており、単に破産させて生活態度を改めれば解決という問題ではなくなっています。
また破産制度の合理化・迅速化といっても度が過ぎれば身勝手なモラルハザードを招きかねませんから、実際は安易に敷居を低くすれば済む問題でもありません。これらの最終的な解決は、破産法だけでなく金利に関する教育制度、労働条件や貸金に関する法制度などのバランスよい改革を待たねばならないでしょう。

とはいえ最前線の現場を守る法律家の一人として、まずは法的救済が可能なケースについて、不幸な結末を少しでも減らすことができるよう努めたいものです。当事務所では、一つの試みとして気軽に相談しやすく訪れやすい法律事務所というコンセプトで運営しており、今のところ市民の皆様にも好評を頂いていると感じております。日々の地道な活動を通じて、市民に身近な司法の実現に微力ながら参与できればと思っています。

( 新日本法規出版梶@Legal Information Mail Magazine[ LIMM ] リーガルコラム掲載 )


※資料:自己破産受理件数(自然人)
平成12年(2000年):13万9280人(前年度比+約13.5%)
平成13年(2001年):16万0457人(前年度比+約15.2%)
平成14年(2002年):21万4638人(前年度比+約33.8%)
平成15年(2003年):24万2357人(前年度比+約12・9%)
平成16年(2004年):21万1402人(前年度比−約12.8%)
平成17年(2005年):18万4422人(前年度比−約12.8%)
平成18年(2006年):16万5932人(前年度比−約10.0%)
出典:司法統計年報

<2008.7.10>

※当コラム掲載文は、執筆当時の状況に基づいた内容となっております。法令・判例の変更や状況の変化等が生じている可能性もありますからご注意下さい。最新の状況については、当事務所の無料法律相談にてご説明しておりますので、お気軽に相談予約をお申し込み下さい。

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