債務整理コラム・Q&A
自己破産 裁量免責を得るための積立(免責積立)
自己破産の手続が管財事件として開始した後、破産管財人からの打診を受けて、金銭の積立を実施する場合があります。
いわゆる「裁量免責のための積立」、あるいは「免責積立」と呼ばれているものです。
激しい浪費やギャンブルなど、本来であれば「免責不許可」も検討せざるを得ないケースについて、破産管財人から、この積立を提案される場合があります。事前に取り決めた金額の積立を一定期間きちんと行うことで、「裁量免責」の可否を判断する際、有利な事情として考慮されるというものです。
比較的レアケースですが、名古屋地方裁判所の管轄では現在も存在している運用ですから、今回ご紹介します。
免責積立の目的は?
「免責積立」という制度が法律でルール化されている訳ではなく、現状のままでは免責を認めがたい問題があるケースについても、何とか裁量免責を認めていく余地を残すための実務運用として行われている手法です。
基本的には、以下のような観点から実施されるものと考えています。
①:「不当に流出した財産」に相当する金額を事実上回収して配当を行うことで、債権
者の損害を少しでも補填する機会とする
②:毎月の積立をご本人に継続してもらうことで、生活の再建を真面目に行っているこ
とのテストとする
③:ギャンブルなどの浪費的行動について、ご本人の反省を促す機会とする
債権者への配当(①)を実施する形が理想的ですが、実際には積立金が配当を実施可能な金額に満たず、配当を行わないまま裁量免責となるケースもみられます。
免責積立の打診を拒否できるか?
この積立は、破産した方ご本人の同意に基づいて実施されるものです。ただ、裁量免責の判断に大きく影響する部分ですから、積立を拒否するという選択肢は、現実的ではないでしょう。
もちろん、前提となる事実関係について破産管財人や裁判所に誤解がある場合は、弁護士から説明や反論を行いますが、積立の実施という結論部分は、基本的に変わらないと思っていただく方がよいと思います。
免責積立の原資は?
免責積立は、「破産手続開始決定」が出た後、お給料から積み立てていく形が基本です。
以下例のとおり、破産手続の原則ルールでは「破産手続開始決定が出された日」以後に取得した財産(いわゆる新得財産)は裁判所に没収されませんが、免責積立は事実上、この例外という事になります。
破産の原則ルール モデルケース1
※自由財産の拡張が上限額(99万円)まで認められることを前提とします。
「破産手続開始決定が出た日」時点の財産総額が119万円の場合
→99万円までしか手元に残せないため、超過している20万円は、破産管財人の管理する破産財団へ差し出すことになります。
破産の原則ルール モデルケース2
※自由財産の拡張が上限額(99万円)まで認められることを前提とします。
「破産手続開始決定が出た日」時点の財産総額が89万円あり、その数日後に給料30万円が入った場合
→給料30万円が入った時点で、財産総額が合計119万円になっています。しかし破産手続開始決定日の財産総額は89万円ですから、自由財産99万円の範囲内です。
また給料30万円は「破産手続開始決定の後に得た財産」(新得財産)です。
この場合、給料を含めた手元資産を破産財団に差し出す必要はありません。
免責積立が行われる場合
「破産手続開始決定が出た日」の数日後に給料30万円が入った場合
→この給料30万円は新得財産ですが、免責積立を行う場合,この給料から事前に取り決めた金額(例:毎月3万円)を、破産管財人名義の銀行口座に一定期間、振り込みます。
このように「免積積立」が行われる場合、弁護士費用や予納金を準備した上で、さらに追加の金銭的負担が生じる事となります。ご本人様としては予想外の支出となり、しばらく苦しい生活になるかもしれません。
しかし「免責積立」の打診があるケースは例外なく、相当に激しいギャンブルや浪費などの問題行動があったはずです。裁量免責を得るための有利な実績となる積立ですから、ここは頑張っていただく所です。
免責積立を行う期間
免責積立を行うことになる期間は、案件にもよりますが、短くて2~3か月、長くて5~6か月程度が多いと思います。
この期間中、一定額の積み立てを毎月実施しつつ、家計簿を破産管財人に提出して、家計収支のチェックを受ける形が基本となります。
免責不許可の可能性があるケースについて、破産管財人による生活内容の監督を受けている期間となりますから、浪費的な支出、使途不明な支出などが発生しないように十分注意して生活する必要あります。
免責積立を完了した場合
「免責積立を行った上で、それでも免責不許可となってしまった」というケースは、当事務所では過去1件も確認されていません。
激しいギャンブルや浪費を行ってしまい、裁判所から「免責不許可」まで検討されてしまうケースであっても、裁判所や破産管財人の指示にきちんと対応していくことで裁量免責を得ることが十分可能であることは、こうした点からもお分かりいただけると思います。
まずは無料法律相談を
「免責積立を行うべきケースか」の判断は,裁判所や破産管財人により行われますから、事前にその有無や内容を確実に予測することはできません。ただ一般論として、浪費やギャンブルの程度が激しくなるほど、問題のある案件として、免責積立を指示される可能性は高まってくるでしょう。
あまり状況が悪化してしまわないうちに、弁護士の無料相談を受け、解決に向けた正確な知識を得ていただきたいと考えております。
まずは「名古屋駅前 弁護士の無料法律相談」をお申込みください。
個人再生 関係資料を事前にご用意いただく必要性について
当事務所では、以下3点に該当する方への法律相談を実施する場合、可能な限り事前に「返済予定額の試算に必要な資料」をご準備いただいています。
◇ローン中の「住宅」をお持ちの方
◇債務総額の半分に近い、大口の債権者がいる方
◇ローン中の「自動車」をお持ちの方
ご本人様としては「一刻も早く、法律相談を受けたい」というお気持ちであることは、十分承知しています。
また、事前に資料の準備をすることが、面倒に感じられるかもしれません。
しかし当事務所としては、この3点に該当するケースについて、具体的な資料を確認しないまま法律相談を行うことは、後になってから方針の修正が必要となる可能性が残り、不正確なご説明となってしまう危険があると考えています。
実際のところ、相談者様が資料を提出しないまま「他の法律事務所で受けてきた一般的な説明」と、「当事務所で、関係資料を検討してから実施したご説明」の結果が異なる(あるいは、他の事務所では説明自体を受けていない)というケースが時々発生しています。
・ご自宅の不動産がオーバーローンか否か
・ローン中の自動車が引き上げになるか否か
・給与所得者等再生を選択した場合、いくら返済することになるか
こういった、かなり根本的な部分のご説明が変わってくることになります。
ご本人様としては「どちらの言っていることが正しいのか」と混乱されてしまうと思いますが、当事務所で正式にお引き受けしたケースに関しては、もちろん当事務所から事前にご説明を差し上げた見通しの通りに進み、無事解決しております。
当事務所としては、多少の時間と手間を要することになりますが、個別のケースに即した、正確な法律相談を実施したいと考えています。
特に「ローン中の自宅を残したい」というご希望の方は、かなり不安や焦りを感じていらっしゃる事が多いですが、重要な局面であるからこそ「正確な知識・見通しを得た上で判断する」という点を、重視していただきたいと当事務所では考えています。
可能な限り早期の相談予約を調整し、全力でお手伝いをさせていただきます。
まずは一日も早く、「名古屋駅前 弁護士の無料法律相談」をお申込みください。
NP後払い・メルペイスマート払い・d払いなどの「後払いサービス」にご注意!
近年、自己破産や個人再生を検討中の方について、以下のような後払いサービスの利用が増えています。
こうした後払いサービスは利用開始時の信用調査(与信調査)が無く、多重債務の末期状態でも利用ができてしまいます。
特に「自己破産を検討されている方」については、3社も4社も後払いサービスをハシゴされている方が珍しくありませんが、こうした行動は一時しのぎで何の解決にもならないばかりか、破産手続を無用に複雑化させてしまいます。
後払いサービスを利用した「換金行為・現金化行為」を常習的に行ってしまう方も多く、同時廃止が認められにくくなってしまう(管財事件となる可能性が高まる)リスクがあるほか、免責判断のスムーズな進行にも影響を及ぼす場合があります。
一般的なカード会社や消費者金融から借り入れができない状態となり、複数の「後払いサービス」に申し込もうとしている方は、もはや多重債務の末期状態です。一刻も早く、弁護士の法律相談を受けていただくことをお勧めします。
今回は、後払いサービスを乱用することのリスクをご紹介します。
現金化行為を行ってしまいがち
「後払いサービス」はネットショッピングの決済手段として用いられる形が多く、家電などを転売して現金を得る「現金化行為」の温床になりがちです。
名古屋地方裁判所は従来より、「クレジットカードのショッピング枠を現金化する行為」については厳しい態度です。比較的少額の現金化行為でも、同時廃止が認められずに管財事件へ移行するケースが確認されています。
「後払いサービス」を現金化の手段として用いる行為も、クレジットカードのショッピング枠を現金化する行為と実態は何ら変わりませんから、同時廃止が認められにくくなったり、免責不許可となるリスクを高めてしまう行動です。
「後払いサービス」を利用した現金化の方法を指南するサイトも存在するようですが、そのような情報を真に受けて、軽率な行動をされないようご注意いただきたいです。
利用のハードルが低く、なかなか止められない
「後払いサービス」には信用調査も無く、サービス提供会社も多いため、かなりハードルの低い資金調達方法です。
次から次へと利用申込をしていく行動が日常化してしまい、返済できない会社が増えてしまいがちです。弁護士に破産を依頼する直前まで、現金化行為を続けているケースも珍しくありません。
こうした行動が増えるほど、裁判所としては「もう返済できない事が分かっていながら常習的に利用していたのではないか?」「今後も、このような無計画な借り入れを続けてしまうのではないか?」といった疑念を、より強く持つと思います。
結果、破産管財人による生活指導や家計収支のチェックが、より厳しく実施されることになってしまいます。
また「後払いサービス」は信用調査を経ずに利用できるという性質上、弁護士に依頼した後でも利用を止められない方や,隠れて新規の申込をしてしまう方までいらっしゃいます。
当然ながら、これらは更に問題のある行動と判断されます。
免責調査型管財事件の債権者集会は基本的に1回で終わりますが,引き続き生活監督が必要と判断された場合には続行期日が設定され、解決が何か月も延長されてしまうケースもあります。
「後払いサービス」を始めてしまうと、このようにズルズルと状況が悪化してしまいがちですから、既に他社での借り入れがある方は、特に注意していただきたいです。
d払い・auかんたん決済・ソフトバンクまとめて払いなどの、携帯電話キャリア決済
携帯電話のキャリアが提供する「キャリア決済」は、その利用額が通信料と合算して請求されるため、請求額全体が「通信費」であるかのように思われている方もいらっしゃいます。
しかし、キャリア決済の実態は「後払いサービス」であり、翌月までの支払期限で借金をしている事と何ら変わりません。通信料と合算されて引き落とされるため、一部の債権者に対してだけ優先的な支払を行うこととなる点も、破産や再生の手続では問題となります。
したがいまして破産・再生のご依頼時には、キャリア決済を利用しない生活スタイルに切り替えていただくようお願いしております。
後払いサービスの乱用前に、まずは弁護士の無料相談を
繰り返しになりますが、複数の「後払いサービス」に手を出し、その場だけをしのいでいても、何の解決にもなりません。ご本人様としても、その事は理解されていると思います。
一刻も早く、解決に向けた具体的なプランを立てましょう。
まずは「名古屋駅前 弁護士の無料法律相談」をお申込みください。
個人再生(住宅資金特別条項つき)の再生計画が確定しました
名古屋地方裁判所にて、小規模個人再生(住宅資金特別条項つき)の再生計画認可決定が出ていた件について、約1か月が経過しまして再生計画が確定となりました。
今回も、予定通り住宅ローン以外の債務について、約80%の免除を受けられています。
ご自宅の住宅ローンを返済中の方は、ある程度の継続的なご収入を有している方が多いですから、返済資金のやり繰りをギリギリまで頑張ってしまった結果、債務総額が非常に大きくなってしまうことが珍しくありません。
住宅ローンと別に、カードローンや消費者金融からの借入合計が1000万円、1500万円といった規模になっていると、絶望的な気持ちになってしまうかも知れません。
しかしながら、個人再生という解決方法によって、ご自宅は今後も残しつつ、「住宅ローン以外の債務」について、数百万円~1000万円以上の免除を受けることも可能です。
実際にあった事例を元にしたモデル(1)
※実際の減免率は、ご事情によって異なります。
◆個人再生【前】
・住宅ローン:2,000万円
・住宅ローン以外:1600万円
↓
◆個人再生完了【後】
・住宅ローン:2000万円( 変わらず )
・住宅ローン以外:300万円( 1300万円が免除 )
実際にあった事例を元にしたモデル(2)
※実際の減免率は、ご事情によって異なります。
◆個人再生【前】
・住宅ローン:2,000万円
・住宅ローン以外:1300万円
↓
◆個人再生完了【後】
・住宅ローン:2000万円( 変わらず )
・住宅ローン以外:260万円( 1040万円が免除 )
免除額の見通しも,無料相談にてご説明します
「個人再生」は債務全額の免除を受けられる訳ではなく、債務の一部について免除を受け、残った債務を分割で返済していくという制度ですから、債務が全て無くなるという訳ではありません。
とはいえ一般的には「債務の総額が増えるほど、免除額も増える」という傾向がありますから、住宅をお持ちの方が借り入れをしすぎてしまったケースにおいては、非常に強力かつ有効な生活再建の方法です。
実際には案件ごとに注意すべき点があり、いつも一律の結果になる訳ではありませんから、事前に資料をご準備いただき、きちんと試算をした上で弁護士から見通しのご説明を差し上げます。
まずは「名古屋駅前 弁護士の無料法律相談」をお申込みください。
小規模個人再生で、債権者の反対がありました
小規模個人再生の案件で、名古屋地方裁判所に「再生計画案」を提出したところ、債権者1社から「不同意」の意見が提出されました。
こうしたお話をすると、小規模個人再生を検討されている方としては、この解決方法にリスクを感じ、少し不安になってしまうかも知れません。
しかしながら、債権者の不同意(反対意見と考えてください)が出る事はむしろ「滅多に無い」ことなので、その参考として今回ご紹介しております。
★補足:本件は「不同意」が1件出たものの、再生計画は問題なく認可されています。
当事務所では、小規模個人再生の申立を行った案件について、毎回「債権者の不同意が出たかどうか」を裁判所に確認しております。
2021年(令和3年)中に確認された債権者の不同意は、この1件のみでした。
これは、当事務所が「債権者の不同意リスクが高い案件(※1)」について、「不同意が出ないことを期待して、あえて小規模個人再生の申立を行う」という方針を、あまりお勧めしていないことも影響していると思います。
とはいえ、債権者の不同意が出るケースが相当に珍しいという事も、お分かりいただけると思います。
今回ご紹介したように、もし不同意が1件出たとしても、大多数のケースでは、その1件だけで再生計画が不認可にはなりません。
また、「複数の債権者が不同意を出してくる」という展開はさらにレアケースであり、当事務所の記録に残る範囲では確認されていません。
「小規模個人再生」は、債権者の不同意が一定割合を超えた場合、再生計画案が不認可となってしまうリスクが確かにあります。ご本人様としては「この解決方法を選択して大丈夫なのか?」という不安なお気持ちになることも、もっともだと思います。
しかし小規模個人再生は、自己破産とはまた異なるルールで、債務の大幅減額を実現できる大きなメリットを有する解決方法です。
最初から選択肢として除外してしまわず、正しい知識を得た上で、メリットとリスクの検討をしていただきたいと考えています。
ネットの情報などを見てお一人で判断をせず、まずは「名古屋駅前 弁護士の無料法律相談」を受けてください。
※1:債務総額の50%を超える大口債権者がいるケースや、債権者が2社しかいないケースでは、「債権者1社の不同意」だけで再生計画が不認可となってしまうため、例外的に不同意リスクが高まります。
こうしたケースでは、「給与所得者等再生」を選択可能かどうかについても、事前に検討しておく必要があります。
当事務所の無料法律相談にて、具体的な返済予定額の試算結果も含めた、詳しいご説明を差し上げます。
自己破産の書類作成打ち合わせを実施
ご依頼中の自己破産案件について、「破産手続開始申立書」を完成させるため、依頼者との打ち合わせを実施しました。
破産申立書類の作成手順には、決まったルールがある訳ではありませんが、当事務所では事前の調査結果や、依頼者に準備していただいた資料をもとに、あらかじめ関係書類の大枠を作成しておきます。
その上で依頼者との面談打ち合わせを実施し、ご本人から詳細な聴取や、事実関係の確認を行いつつ、「破産手続開始申立書」および関係資料一式を完成させます。
同時に、破産申立後の進行、想定されるリスク、破産手続上の注意点なども、弁護士から依頼者にあらためて直接ご説明します。
したがって裁判所への申立前に、最低一度は当事務所までご来所いただく形になります。
所要時間は、多くのケースで2時間~2時間30分程度です。
ご本人様にはご足労をお掛けすることになりますが、自己破産や個人再生は複雑な制度であり、申立準備もそう簡単なものではありません。
裁判所への申立前に、弁護士から再度のご説明を直接さしあげたい事項もあり、ご本人様から弁護士に質問・確認をしたい点や、ご心配な点もあると思います。
やはり弁護士が依頼者ご本人と会い、詳細を直接確認しつつ進めることが必要と、当事務所では考えています。
打ち合わせの時間帯については柔軟に対応しておりますから、何とかご都合を調整していただけるよう、ご協力をお願いしております。
打ち合わせの実施後、「破産手続開始申立書」を完成させ、管轄裁判所に代理人弁護士名義で自己破産の申立を行います。
申立後は案件内容に応じて、裁判所にて同時廃止か管財事件、いずれかに割り振られ、破産手続が進められていきます。
申立書類一式をきちんと作成・準備しておくことで、申立後の進行もスムーズなものとなります。
その完成度が、場合によっては「同時廃止か管財事件か」という裁判所の判断にも影響を与えるケースもあると思います。
一つ一つ、きちんと確認しつつ、適正な内容の申立書類を作成させていただきます。
具体的な進め方については、法律相談の際に、弁護士から詳しくご説明を差し上げます。
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給与所得者等再生とは?
■「給与所得者等再生」とは、2つある個人再生のうちの一つです。
■少し使いにくい制度のため、あまり用いられていませんが、使用条件に合致したケースでは、「債権者の反対によって再生計画が否決されるリスクが無い」という大きなメリットを発揮することができます。
■「可処分所得」試算のため、「源泉徴収票」「給与明細」が必要です。
実務上、この「給与所得者等再生」はほぼ用いられておらず(数%程度)、もう一つの個人再生である「小規模個人再生」を利用される方が圧倒的多数を占めています。
これは「給与所得者等再生」を選択した場合、「小規模個人再生」を選択した場合に比べて、返済総額がかなり高額になってしまうケースが多いためです。
ただ「小規模個人再生」には、「大口の債権者が反対してきた場合」や「半数以上の債権者が反対してきた場合」に再生計画案が認可されないというリスクがあります。
実際には、債権者の反対によって個人再生に失敗することは相当レアケースですが、具体的な債権者の構成によっては、このリスクを現実的なものとして警戒しなければならないケースも時々発生します。
「給与所得者等再生」は、「小規模個人再生」における債権者の反対(不同意)リスクを回避できる点が大きなメリットです。
ご本人の収入や家族構成によっては、「給与所得者等再生」を選択した場合でも、さほど返済総額が高額にならず、解決手段として十分に選択可能というケースも実際にあります。
あなたのご事情は、「給与所得者等再生」を用いるメリットがあるでしょうか?
「給与所得者等再生」を選択した場合の返済予定額は、どの程度でしょうか?
弁護士が詳しく診断します。
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給与所得者等再生を検討すべきケースの一例
- 負債総額の半分以上を、1社で占めている大口債権者がいる場合
- 債権者が1~2社と、ごく少数の場合
こうしたケースで「小規模個人再生」を選択した場合、1社の不同意があっただけで再生計画が否決されてしまいますから要注意です。
この状態を前提とした「小規模個人再生」は、非常に大きなリスクがあると言わざるを得ません。
債権者の意向に影響されない「給与所得者等再生」を用いることで、このリスクを回避することが可能となります。
給与所得者等再生 返済予定額の計算方法
比較上、「小規模個人再生」の場合からご紹介します。
返済総額を算出するにあたり、「小規模個人再生」では2つのルールがありました。
<小規模個人再生の返済総額 計算方法>
A:負債総額から算出される金額(最低100万円、または負債総額を
5分の1にした額の大きい方)
B:あなたの資産総額(清算価値)
この「A」「B」について、それぞれ別個に計算を行い、金額の大きい方が「小規模個人再生」における最低弁済額になります。※負債総額1500万円までの場合
「給与所得者等再生」においては、上の「A」「B」に加えて、3つめの基準「C」が加わります。
<給与所得者等再生の返済総額 計算方法>
A:負債総額から算出される金額(最低100万円、または負債総額を
5分の1にした額の大きい方)
B:あなたの資産総額(清算価値)
C:「可処分所得」の2年分
「可処分所得」とは、ご本人の収入から、住宅費や生活費や税金を差し引いた後の、手取額というイメージでよいかと思います。
ただ、この「可処分所得」は、あなたの実際の手取額ではありません。
源泉徴収票の記載や、居住地域、ご家族の年齢などの基本情報を、あらかじめ用意された計算式にあてはめて、機械的かつ定型的に算出されます。
無料法律相談の際、弁護士が試算させていただきます。
給与所得者等再生では、上記「A」「B」「C」のうち、「最も高い金額」が最低弁済額になります。
一般的な傾向としては、「C(可処分所得)」の計算結果がかなり高額になるため、「給与所得者等再生を選択した場合」の弁済総額は、「可処分所得の2年分」が最低ラインとなるケースが多くなります。
給与所得者等再生 具体的な返済額試算モデル
上記の3基準を用いて、実際に検討してみましょう。
<給与所得者等再生 モデルケース>
- 基準【A】(負債総額の基準):負債総額600万円
→ 5分の1である120万円 - 基準【B】(資産総額):預金・保険・退職金など全財産合計:100万円
※退職金は、原則的に支給予定額の8分の1で評価 - 基準【C】(可処分所得の2年分): 300万円
このモデルケースでは、「A」「B」「C」の計算結果のうち最も高額な結果である基準「C」の300万円が、給与所得者等再生を行った場合の最低弁済額になります
可処分所得は高額になりがちですから、給与所得者等再生を選択すると、「あまり債務総額が減らない」「返済予定額が高くなりすぎて、返済しきれない」という結果になることも珍しくありません。
「給与所得者等再生」を選択可能なケースは、「小規模個人再生」も選択可能です。そして通常、小規模個人再生を選択する方が、最低弁済額はより少なくなります。
上記モデルケースで言えば、小規模個人再生を選択した場合の最低弁済額は、「A」「B」の高い方ですから、「A」基準による120万円となります。
もちろん小規模個人再生には「債権者の不同意による再生計画の不認可」というリスクがありますが、実際に不同意が出るケースはごく少数です。
こうした理由から、前述したような「債権者の不同意リスクを現実的に警戒すべきケース」に該当しない限り、実務上は大部分の方が小規模個人再生を選択している状況となっています。
給与所得者等再生が通りやすいケースとは?
例えば、「配偶者が専業主婦で、未成年の子が複数いるご家庭」は、収入に占める生活費の割合が高くなりますから、働いているご本人の「可処分所得」は低くなる傾向があります。
可処分所得が低い場合、給与所得者等再生を選択しても、それほど弁済総額は高額化せず、現実的な解決手段として検討することも可能なケースは実際にあります。
言い換えてみると、「月々の収入の大部分が、家賃や家族の生活費など、最低限必要な支出でほぼ消えている方」は、類型的には可処分所得が低い結果となり、給与所得者等再生が通りやすくなる傾向があると言えます。
(ただ、あまり可処分所得が低い家計の場合、今度は返済能力が不足する状態が強まりますから、程度の問題にはなります。)
一方、「単身者の方」や「実家住まいの方」は、一般的に「可処分所得」は高額になりがちです。
給与額がそれなりに高い単身者の方となれば、可処分所得がかなり大きくなることが予想され、給与所得者等再生という解決方法が、あまり適さないケースも出てくるかと思います。
とはいえ「債権者の不同意リスクが高く、小規模個人再生では不安がある」という事情がある場合には、「弁済総額が多少高額になったとしても、給与所得者等再生を選択せざるを得ない」という判断も、実際にはあり得るでしょう。
このように「可処分所得」が増える要因、減る要因はそれぞれ複数あります。
おおまかな見通しだけでは具体的な計画が立てられませんから、実際には関係資料を全てご用意いただいた上で、きちんと計算してみることが必要です。
給与所得者等再生の検討が必要と思われるケースでは、事前に関係資料をご準備いただき、無料法律相談の際、可処分所得の試算も行っています。
★★こちらもご覧ください
系列会社の代位弁済にも注意!
弁護士に個人再生や自己破産を依頼されると、特に銀行系ローンについては、系列の保証会社によって代位弁済が行われます。
<借り入れ先 モデルケース>
- 債務総額:450万円
- 債権者
1 三井住友銀行 :200万円
2 プロミス(SMBC) :100万円
3 アイフル :100万円
4 アコム : 50万円
このケースでは、「給与所得者等再生」を選択肢として検討すべきでしょうか?
一見、債権者の不同意リスクが顕在化する「負債総額の半分以上を単独で有している大口債権者」が存在するケースではないようにも見えます。
しかし、このケースで実際に個人再生の準備を開始した場合、三井住友銀行の債権200万円は、系列の保証会社であるプロミス(SMBCコンシューマーファイナンス)によって代位弁済されることが通常です。
結果、プロミスは元から有していた債権100万円に加えて、代位弁済による債権200万円も取得し、負債総額の半分以上を単独で有する合計300万円の大口債権者となることが予想されます。
したがって、このケースでは「給与所得者等再生」の選択可能性を正面から検討すべきです。
このように、後で大口債権者が生じるケースは時々ありますから注意してください。
実際には、しばらくしてから更に別の債権回収会社などに債権譲渡される可能性もあり、最終的な債権者構成を読み切ることは難しいですが、少なくとも系列会社による典型的な代位弁済は、当初から警戒しておくべきです。
「楽天銀行」と「楽天カード」の両方から借りている方、「三菱UFJ銀行」と「アコム」の両方から借りている方も多いので、こちらも注意が必要です。
こうした理由から「どの会社から、いくら借りているか」については、無料法律相談の際、可能な限り詳しくご説明をいただきたいと考えております。
給与所得者等再生 まとめ
「給与所得者等再生」は、少し使いづらい解決方法ですが、「小規模個人再生」を選択した場合に債権者の不同意リスクを無視できないケースでは、解決手段としての存在感が高まってきます。
また、お持ちの財産総額が非常に多く、「小規模個人再生」と「給与所得者等再生」、どちらを選択しても、財産総額によって最低弁済額が決まるケースもあります。
こうしたケースについても、債権者の不同意リスクがない「給与所得者等再生」を選択する実益があると言えるでしょう。
「給与所得者等再生」が選択可能と思われるケースについては、当事務所からも積極的にご提案を差し上げておりますので、一度ご検討いただければと思います。
無料法律相談の際に、関係資料をお持ちいただければ、可処分所得や具体的な返済予定額の詳細な試算が可能です。
まずは「名古屋駅 弁護士の無料法律相談」をお申込みください。
破産管財人に就任しました
名古屋地方裁判所から選任され、破産管財人に就任しました。
当事務所の弁護士は、自己破産のご依頼を受けて破産申立を行う「申立代理人」の業務を日々行っていますが、名古屋地方裁判所の破産事件について「破産管財人」の業務も行っています。
申立代理人として業務を行う場合、依頼者であるご本人(自己破産するご本人)の利益を第一に考えて進めますが、破産管財人の業務は、債権者への公平な配当実施を中核としつつ、全ての利害関係者にとって公正な破産手続を実現すべき立場で行うものです。
破産管財人は、破産した方ご本人について「免責不許可事由の有無」および「免責不許可事由がある場合、裁量免責を認めるべきか」について、裁判所に報告書を提出することも、重要な業務の一つです。
また、ご本人の「自由財産拡張申立」をどこまで認めるのか、その範囲を裁判所が判断するにあたって、事前に具体的な調査・検討を行う立場でもあります。
このように破産管財人の業務は多岐にわたりますが、破産管財人は、破産した方ご本人の財産を没収してやろうとか、罰を与えてやろうとか、そういった目的で管財業務を行っている訳ではありませんから、過度に心配される必要はありません。
破産管財人による調査・検討がスムーズに進められることにより、ご本人の免責がより速やかに実現されるケースも多いと思います。
ご本人には、今回の破産申立に関する事実関係について嘘偽りなく説明・申告し、破産管財人からお願いした点について、迅速に対応していただきたいと、いつも思っています。
豊橋市の裁判所で債権者集会
名古屋地方裁判所の豊橋支部にて、自己破産の債権者集会が開催されたため、当事務所の弁護士が豊橋市まで出張してきました。
債権者集会は、個人破産の少額管財事件であれば1回で終了することも多く、この場合は「免責許可決定」が出るまでの時間は、同時廃止のケースと比較しても1か月程度しか変わりません。
ただ、その一方で3回も4回も集会が続行される案件があります。
今回の案件も、破産管財人の業務が少し長期化しており、約3か月後に債権者集会の続行期日が指定されました。
「債権者集会が、何回実施されるのか」は、案件ごとの課題や問題点、破産管財人の進め方にもよるため、事前にはっきり予測することはできません。
ただ、典型的な長期化要因があり、「少し時間がかかりそうだ」と事前に想定可能なケースもあります。
・ご本人名義のローンのない不動産があるが、売るのが難しい事情のある場合
・未回収の貸金があり、相手が返金に応じようとしない場合
こういった事情のあるケースは通常、債権者集会が1回、2回では終わらない展開となりますが、案件の性質上やむを得ない部分も大きいです。
ご本人様も債権者集会のたびに裁判所まで出頭しなければならず、負担も大きくなりますが、債権者集会が終了すれば、通常すぐに免責許可決定が出ますから、「免責許可という最終目標」まで、本当にあともう少しです。
どのような展開になっても、弁護士が最後までしっかりサポートさせていただきます。
ここで気持ちが途切れるようなことにならないよう、最後まで頑張りましょう!
名古屋地方裁判所の豊橋支部や岡崎支部についても数多く取り扱っており、弁護士が裁判所へ行く際の「日当」や「出頭費用」など追加費用は一切不要です。
まずは「名古屋駅 弁護士の無料法律相談」をお申込くださいね。
異時廃止となり、免責許可決定が確定しました
名古屋地方裁判所で少額管財事件として進めていた破産案件が異時廃止となり、無事に免責許可決定が確定しました。
今回は破産管財人との見解相違が大きく、裁判所も交えた激しい協議が続く展開になりましたが、結論としては自由財産拡張の申立も裁判所に全て認められ、ご本人の所有財産から破産財団への組み入れ(財産の一部を差し出すこと)も一切無いこととなったので、当方にとって最も良い形で終わりました。
依頼者ご本人も頑張って対応してくださったので、私も依頼者の利益を守るため存分に動くことができ、「自己破産の申立代理人」としての職務を全うできたと思います。
私がいつも思うのは、せっかく費用と時間をかけて自己破産を専門家に依頼するのですから、もし苦しい展開になった時、きちんと依頼者の代わりに前へ出て、依頼者を守ってくれる専門家を選ぶべきだという点です。
ご本人が「絶対に免責を得て立ち直りたい」という強い決意を持っていただけるなら、当事務所もより効果的なサポートが可能となります。
今お持ちの疑問やご希望を、弁護士へ率直にお話しくださいね。
スムーズな自己破産・免責許可に向けて、まずは「名古屋駅 弁護士の無料法律相談」をお申込みください!
会社・自営業者の自己破産における注意点
ここのところ、会社経営者や個人事業主の方からの、倒産に関するご相談が増えていると感じています。
当事務所では、個人はもちろん法人・個人事業主の自己破産についても常時取り扱っていますが、法律相談で具体的なご事情をお聞きしている際、これは法律相談を進める上で、注意すべき点になるなと感じる例をいくつかご紹介したいと思います。
複数の会社を経営されている方
会社代表者の方が複数の会社を経営されていたり、会社と別に個人事業を営んでいるということは珍しくありません。
こうした場合で1つの会社について業績が悪化すると、別の会社や代表者の資産から経営資金が注入されるという事態が起こりがちです。それぞれの資産が厳密には誰のものか判別しづらくなっているという状態も、意図的ではないにしてもしばしば見られます。
こうしたケースにおいて、1つの会社と、その連帯保証人である経営者ご本人が自己破産しようとした場合、他の会社との間の資金の流れが問題になってきます。
破産手続上、破産会社が誰かに対して貸付をしている場合には、これをきちんと回収しなければなりませんが、破産会社の資産が他の会社に、いつ・いくら流入しているのか全く分からないという状態では、破産手続を進める上で非常に問題です。
それぞれの会社について通帳や決算書などの必要資料が確保されていることは最低限必要でしょう。
契約書や領収書など、資金の流れを確認できる書面についても出来る限り揃えておくことが、破産手続をスムーズに進めるためには大変重要です。
こうした資金の流れは、破産申立の段階で明らかにしておく必要がありますが、事前の調査が不十分と判断されれば、裁判所に納める管財予納金が通常より高くなってしまう可能性もあります。
破産費用の観点からも気をつけなければならないポイントと言えます。
やりかけの仕事(仕掛かり工事など)がある方
破産手続を進める上で注意が必要なケースの一つが、やりかけの仕事(仕掛かり工事)のある場合です。
ある日突然、進行していた工事などが続行できない状態になってしまえば、工事を発注したクライアントは経済的にも精神的にも計り知れないダメージを受けることでしょう。
破産を検討されている経営者の方も、そうした事態は出来る限り避けようと努力されていますから、受注した仕事を一通り終えた合間に破産の依頼をしたいと考えることが通常です。
ただ、やはり資金繰りが上手く運ばずに、少し続行中の仕事が残ってしまった状態で、どうしても破産を依頼せざるを得ないという事態が起こってしまう場合も起こりうるのです。
未完の仕事や仕掛かり工事がある状態で破産申立となった場合、裁判所から選任された破産管財人が、その後の方針を検討して決定していきます。
ただ、ここで一から現場の状況を調査していくようでは「一体いつ工事が再開されるのか」ということになってしまい、発注した方のダメージがさらに増大してしまいます。
発注元に対して掛けてしまう迷惑を可能な限り少なく抑えるためには、工事の進捗状況が詳しく把握できており、その詳細な資料が揃っていることが大変重要です。
工事の契約書や、代金の受け取り状況、どこまで仕事が進んでいたかを示す資料、現場関係者の連絡先や構成を記した資料などが必要です。
少し会社の規模が大きくなってくると、経営者の方が現場の進行状態を把握しきれていないということもありますから、もし破産をお考えという段階になった際には、混乱を最小限に抑えるためにも、こうした点を注意して進行状況の把握や資料の確保を進めておくようにしてください。
親族からの資金援助を検討されている方
経営が苦しく、ご親族に資金繰りのための援助を頼もうかとお考えの方もいらっしゃるかと思います。
ただ、最終的に「やはり破産したい」というお気持ちになった際、「既に親族から何度も経営のための資金援助を受けていて、もう破産のための資金援助は頼めそうもない」ということにならないようにしてください。
既に何度もご紹介しているとおりですが、会社や個人事業主が破産しようとした場合、トータルで必要となる費用はかなりの額になってくるため、決断の時期を誤ってしまうと、破産することも難しくなってしまうことがあります。
そもそもの話で言えば、こうした経営状況の打開のためにご親族の資金援助を必要とするということが、端的に言えば異常事態であると考えなければいけません。
ご親族の援助を受けて今回を乗り切りさえすれば、今後も経営を続けていくことが本当にできるのかどうか、もう一度冷静に検討していただきたいと考えています。
未回収の代金(売掛金)がある方
発注された仕事を済ませたはずなのに、クレームがついて代金を払ってもらえないという事態は、特に中小規模の事業ではよく起こることです。
もし、会社に未回収の売掛金がある状態で自己破産を申し立てた場合、その売掛金は破産手続の中で破産管財人が回収していくことになります。
場合によっては裁判を起こして回収していくという可能性もありますから、請求の根拠となる書面の資料をきちんと確保しておいてください。
もし十分な額を回収することができれば、その分、債権者の方々に配当する資金が増えることになります。
破産すること自体はやむをえない選択だったとしても、せめて配当という形で少しでも債権者に返金していけるように、可能な準備はしておいていただきたいと思います。
「まだ余裕のあるうちに法律相談を」
このように会社・個人事業主の破産は、一般的なサラリーマンの方などが多重債務となって破産する場合より、確認すべき事項が多く、必要資料も複雑になってきます。
事業を畳むということは大変重い決断となりますから、すぐに決断する必要はありません。
ただ、状態が悪化しすぎていると感じる件が本当にしばしばみられ、もっと早い段階で、きちんとした情報を得た上でシビアに廃業の時期を検討して頂きたかったと感じることが多いのです。
「まだ余裕のあるうちに法律相談を」という点を、ぜひ心に留めておいていただきたいと日々感じています。
過払い金の早期回収について
過払い金の回収に限りませんが、「支払おうとしない相手からお金を回収する」ということは、そう簡単ではありません。
大手の消費者金融・カード会社でっても、過払い金の満額をすんなりと支払ってくることは、まずありません。
基本的には訴訟を起こし、頑張って回収していくしかないのです。
すでに過払い金が10年間の消滅時効にかかってしまっているケースも少なくないと思われます。
過払い金は、いつまでも請求可能なものではありませんから、ともかく早めに調査をされることを強くオススメしております。
過払い金の請求を受けた消費者金融・カード会社の思惑
過払い金の返還請求をすると、相手の消費者金融・カード会社は様々な形で抵抗をしてきますが、実際には各社とも、最終的には過払い金を返金しなければならないという事自体は分かっていると思われます。
ただ、「全額は返したくないし、すぐには返したくない」のです。
会社によって程度は異なりますが、「出来る限り返還額を値切ること」「出来る限り支払い時期を先延ばしすること」という2点が、過払い金請求を受けた会社の考えている基本的な目標と考えてよいでしょう。
この「金額」「支払時期」について、たとえば金額面で妥協して「満額の2割でよいから、早めに返してほしい」といったご希望であれば、一般論としては比較的通りやすい方向になるかと思います。さらに支払時期も妥協して、「支払は和解日から半年後」といった条件であれば、よりハードルは下がってくるでしょう。
このように大幅にハードルを下げた解決内容で差し支えなければ、弁護士にご依頼をされなくても、ご本人が自力で交渉して解決することは十分可能と思われます。
ただ、やはりこのような結末では納得がいきませんよね。
「回収金額を満額に近づける」ことも大変重要ですが、さらに「速やかな回収」まで実現しようとすれば、相手方である消費者金融・カード会社の目標に真っ向から反してきますから、より激しい抵抗が予想されます。
とはいえこうした高いハードルへの挑戦も、交渉や裁判を効率良く進めることで、より成功確率を高めることができるものですから、当事務所ではご本人のご希望をお伺いしながら、積極的な回収に挑んでいます。
裁判と交渉という手段について
過払い金を請求する際、裁判を起こしていくか、相手会社との交渉によって解決するかはケースバイケースであり、全く分けて検討すべきものでもありません。
大手の消費者金融に過払い金の請求書を送っても、担当者まで処理が回って交渉できる状態になるまで1ヶ月も2ヶ月も待たされることがあります。
また、ようやく出てきた支払い提示は、金額が低い上に「支払いは和解日から半年後」であったりするので、交渉のみで早期解決することが最初からあまり期待できない会社もあるのです。
こうした場合、ともかく速やかに裁判を起こして裁判期日を入れてしまい、こちらの請求に対応せざるをえない状態にしてしまうことも選択肢の一つです。
もちろん、この場合でも裁判上の解決にこだわる必要はありませんから、同時進行で交渉を進め早期解決を試みてまいります。
もし裁判外での交渉が折り合わなかった場合には、そのまま裁判を続行して速やかに判決を得る方向で進めていくことになります。
訴訟を進めていく上で特に不利な点が無く、全額認容判決が見込めると思われる件であっても、相手の提示してくる支払金額が判決の場合と大きく違わず、支払時期がより早まるのであれば、判決を待たずに交渉を進めて和解するという選択肢にも検討の価値があるでしょう。
このように、複数の解決方針を視野に入れながら、状況の進展に応じて最善と思われる対応を進めてまいります。
重要な判断が必要となる部分では、ご本人に詳しく状況と見通しをご説明しますから、どちらを選択するかはご本人に判断して頂くことになります。
裁判自体の長期化という問題
裁判にかかる時間は、期日を何回やるかによって全く変わってきます。
判の期日は1ヶ月~2ヶ月の間を置いて入りますから、判決までに実施される期日が1回か3回かでは、解決までの期間が数ヶ月も変わってきてしまうのです。
アイフルなどは証拠を小出しにしてきて、「次回もさらに証拠を出します」と期日の続行を求めてくるのが常套手段になっていますから、こうした相手のペースに付き合っていれば裁判の長期化は避けられません。
最終的に期日を何回やるかは裁判官の判断となりますが、主張や反論を無駄なく進め、速やかに弁論終結してもらえるよう主張していくことが大変重要と考えています。
判決となった場合
判決が出ると、大手の消費者金融・カード会社については今のところ比較的スムーズに支払いをしてきています。
ただ、判決が出ると電話をしてきて「返金額を減額しないと控訴する」などと迫ってくる業者もありますから、全額認容判決が出てもまだ安心はできません。
これは結局「どこまで徹底的にやるか」という話なので、ご本人のお気持ち次第の部分です。
当事務所としては、控訴審で結果がひっくり返ってしまうようなリスクが大きければ、判決が出た後でも和解という選択肢も検討するかもしれません。
そうしたリスクがなく、もしご本人が満額回収を希望されるのであれば、当事務所としては控訴審も徹底的に争っていくことを考えています。
ただ控訴審まで争うということになると、解決までの時間は確実にかかってしまいますから、その点については十分ご検討頂きたいと思います。
いずれにしてもご本人にご相談しながら進めますから、「徹底的に回収したい」「倒産が怖いので、ある程度のところで手を打ってもよい」など、ご本人のお気持ちは率直におっしゃって下さい。
まずは法律相談を
すでに述べたとおり、過払い金は完済から10年間の消滅時効にかかるため、いつまでも請求できるわけではありません。
「信用情報が心配」といった理由などで、弁護士に依頼をしようか長いこと悩んでいる方がみられますが、過払い金については時間を置いて状況が良くなるということは、基本的には無いと思われます。
より速やかなご相談・ご依頼が、より早期の過払い金回収に直結してくるわけですから、これまでも再三お勧めしてきたことではありますが、まずは早めの法律相談をお勧めします。
まずはお気軽に「名古屋駅 弁護士の無料法律相談」をお申込みください。
債務整理の方法は、ご依頼後でも変更可能です!
■弁護士費用は、方針の変更があった場合、差額を精算させていただく方式のため、無駄や損はありません。
法律相談の際、「どういう手段がいいのか分からない」「できれば返済したいが、無理かもしれないので、悩んでいる」「できれば破産はしたくないが、返済できるかどうか分からない」という方は、しばしばいらっしゃいます。
ほとんどの方にとって、こういった問題は初めてのことですから、「よくわからない」のは当然のことです。
そうした心配事も含めて、弁護士がお聞きしますから、法律相談の際におっしゃってください。
まずは弁護士に依頼して、借り入れ先への返済をいったん止め、今後のことを冷静に考える時間を作ることをお勧めしています。
あまり悩まず、早い段階で「名古屋駅 弁護士の無料法律相談」をお申込みください。
解決方法を決めておく必要はありません
法律相談のお申込み時や、法律相談の中で、「現時点では、どのような方向での解決をご希望ですか」とお聞きすることがあります。
これは、できる限りご本人の希望に沿った法律相談を行うため、現段階のお気持ちを聞いているだけなので、「まだ決まっていない」「分からない」という場合は、そのようにおっしゃっていただければ結構です。
「可能かどうか分からないが、できればこうしたい」というご希望でも結構ですから、まずは率直に現在のお気持ちを教えてください。
実際にどのような形の解決を目指すのかは、債務状況の調査結果が出てきた段階で、ご本人のお気持ちをお聞きしながら決定していきます。
債務の状況・内容を調査していきます
債務整理の案件では、どのような場合でも、まずはご本人の負債状況を、弁護士がきちんと調査します。
まず現在の状況を正確に把握しなければ、効果的な対策を立てることはできません。
ご本人の記憶と、実際の状況が違っている場合もありますから、債権者(借り入れ先)に全て問い合わせをして、借り入れ・返済の履歴(取引履歴)を取り寄せ、債権額の届け出をしてもらいます。
借り入れた際の契約書などが無くなっている場合でも、会社名が分かれば調査できますから、問題ありません。
調査結果を検討した上で、「どう進めるか」をご相談します
債務状況の調査が完了した段階で、そろそろ最終的な方針を決めていきます。
「任意整理」「自己破産」「個人再生」など、<どの方針で進めるのか>は大事な問題ですから、ご本人に決めていただく必要があります。
もちろん、弁護士からアドバイスを差し上げ、十分サポートをしますから、ご心配は無用です。
弁護士が一方的に方針を押しつけるということは、ありません。
もちろんアドバイスは積極的に差し上げますから、よく考えていただいて、ご本人様が方針を決断してください。
ただ例えば「返済の資金が用意できない」という状態であれば、「破産せずに返したい」というご希望は、実際問題として実現が難しい場合もあるでしょう。
また、「知人からの借り入れだけは、先に返してから破産したい」というように、手続きのルール上、そうした行為が許されないこともあります。
ご本人のご希望と、現在の状況を照らし合わせながら、弁護士が現実的な選択肢や注意点などのアドバイスを差し上げますから、それらを参考に、最終的な方針を決断してください。
この段階までであれば、例えばご依頼時に「自己破産」をご希望されていた場合でも、弁護士費用は差額の精算のみで「任意整理」や「個人再生」に変更するといった方針の変更が可能です。
解決方針の変更があっても、差額精算でOKです。
例えば当初、「自己破産」でご依頼をされたものの、負債状況の調査結果をふまえて検討した結果、やはり「任意整理」に方針を変更されたような場合、通常は弁護士費用が安くなりますから、その差額分はお返しいたします。
方針変更によって費用に不足が生じた場合、その差額分について、追加のお支払いをお願いします。
このように、ご依頼後に方針変更を行ったとしても、ご本人様にとって何か追加の費用が生じるわけではありませんから、最終方針は債務調査の後で決めていただければよいのです。
「どうしたらよいか分からない」という方こそ、弁護士ご相談ください。
正式にご依頼をいただければ、きちんとした調査結果をもとに、弁護士が現実的な解決や、その進め方をご提案いたします。
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会社・自営業者の自己破産をお考えの方
会社・自営業者の廃業は、簡単に決められることではありません。
とはいえ、「もう限界かもしれない」と感じ始めた頃から、選択肢の一つとして自己破産という手段を頭の片隅には置いておき、手遅れになってしまう前に決断して頂きたいと日々感じています。
まだ若干の余力があるうちに破産を決断するということは、経営者としては中々抵抗感があることでしょう。
しかし、早めに決断していたからこそ、破産手続の中で未払給与の支払ができたケースや、債権者である取引先に対して配当を実施することができたというケースもあるのです。
会社資金を全て使い果たしてしまい、賃貸店舗から退去することもできない、裁判所に納める管財費用も無いという状態になってしまえば、法的な整理はもちろん実際上の様々な後始末も進まず、関係者に対する影響・迷惑もより増大してしまいかねません。
「手続きがどう進むか心配」「債権者に責められないか」など色々と不安があるかと思いますが、まずは無料法律相談を申し込まれて、破産手続がどのように進むのかという知識を得ておくことが、冷静な方針検討のために有効かと思います。
無料法律相談の実施
当事務所にて弁護士と面談の上、無料法律相談を実施します。
秘密は厳守されますので、法律相談をした事が取引先や近所に知られるようなことはありません。
無料法律相談の際には、会社や事業の規模・業種、従業員の人数、負債総額などの基本的な情報を弁護士が聴取し、案件の全体像を把握させていただきます。
その上で、破産の手続上問題になりそうな点や、解決しておくべきポイントを洗い出し、破産することになった場合に必要となる業務内容の見通しを立てます。
このように状況を確認した後、当事務所で正式に業務をお引き受けする場合の弁護士費用をご提示いたします。
裁判所に納める予納金についても、これまでの取り扱い案件に照らして、予想額をお知らせします。
正式に依頼されるかどうかは自由です
無料法律相談を受けたからといって、破産の依頼を当事務所が無理にお勧めするようなことはありません。
実際、無料法律相談を実施したその場で、「では廃業して自己破産します」と即決されるという展開は、あまり多くはありません。
どなたも今まで一人で悩み続けた末に法律相談を申し込まれていますから、一度持ち帰ってご家族と相談をされ、再相談を何度か行った後でようやく決断されるという展開は多々あります。
再相談の場合でも法律相談の費用はかかりませんので、まずは十分検討をされてください。
廃業に向けた準備と協議
まだ営業中の会社・事業については、どの時点で廃業するかをご相談させていただきます。
理想からいえば、未払い給与などが発生せず、やりかけの工事などが無いポイントで廃業することが、現場の混乱を最小限に抑えるためには望ましいでしょう。
ただ、理想通りにはなかなか進まないものですから、どこかの時点で廃業日を決断しなければいけません。
資料の確保
破産申立のためには、事業に関する負債と資産の資料を裁判所に書面で提出する必要があります。
負債については債権者からの届出を募ることが一般的ですが、その他の資料については経営者の方に準備をお願いすることが多くなってくるでしょう。
事業の決算書や確定申告書、賃貸契約書、車検証、保険証書などのほか、ゴルフ会員権や出資金の証書、売掛金の契約書など、資産と負債を根拠付ける資料が一通り必要となりますから、資料が散逸してしまわないように十分注意してください。
受任通知の発送
水面下で破産申立準備を進めていくケースもありますが、「もう資金繰りが限界で、近日中に業務停止せざるを得ない」というケースの方が、実際には圧倒的に多いです。
こうしたケースで、弁護士が代理人として表に出ないまま倒産の日を迎えてしまうと、社長さん自身が取引先や従業員に対応しなければならなくなりますから、非常にストレスかかる展開となってしまいます。
当事務所では、こうした展開に
当事務所から債権者に対して、弁護士が自己破産申立を受任したことの通知を発送し、一切の窓口となります。
債権者からは「一体どういうことか」という問い合わせがしばらくの間続きますが、当事務所が全て対応しますから、社長さんが取引先や従業員に対して何か釈明していただく必要はありません。
現地確認、現場の保全
廃業直後の会社内には、自動車・フォークリフトなどの車両、鉄やアルミなどの資材、在庫商品などの資産が残されていますから、散逸・盗難などがないように現場を保全します。
自動車・コピー機・電話などのリース物件は、リース元へ返却します。
売掛金などの資産を回収
手持ち資金だけでは破産費用や予納金が不足する場合、未回収の売掛金や貸金を回収して、諸費用を工面することもあります。
請求の根拠となる契約書や手形などが紛失しないように、全て確保しておいてください。
破産申立書類の作成
事業に関する資料(決算書や預金通帳など)について当事務所が内容を確認した上で、不明点や疑問点、会社を設立した経緯や、負債が増加した経緯を経営者の方に詳しくお聞きします。
経営者ご本人でなければ分からないことが多々ありますので、少し大変ですがご協力をお願いします。
破産申立
裁判所に、破産申立書類を提出します。
会社の破産では、会社の連帯保証人になっている経営者の方についても破産申立を行うことが多いです。
破産申立をすると、裁判所で申立書類の内容を確認後、裁判所に納める管財事件「予納金」の金額が正式に通知されます。
「予納金」を裁判所に全額納付しないと手続が進まないため、基本的には予納金の額を予想して準備しておき、裁判所から納付書が発行され次第、当事務所から振込手続を行うことが多いかと思います。
特に問題がなければ、裁判所の指示に沿って追加資料の提出などを済ませ、管財予納金を納めた後で、裁判所から破産手続開始決定が出されます。
破産手続開始決定
裁判所から「破産手続開始決定」が出されることによって、申立人である会社や経営者の方は「破産者」となります。
破産者は一定の権利が制限されており、例えば破産者宛の郵便物は破産管財人に転送されて開封されるほか、裁判所の許可を得ない居住地変更が禁止されたりもします。
とはいえ、日常生活に直接影響のある権利制限はそれほど多くはありませんから、さほど心配されなくても大丈夫です。
詳細については無料法律相談の際にご説明します。
債権者集会の開催
破産手続の進行や調査結果を債権者に報告する債権者集会は、裁判所の一室で開催されています。
債権者集会には原則的に破産者本人の出席が必要です。
会社の自己破産と経営者(代表取締役)個人の自己破産は、形式的には別の破産手続ですが、実際には同じ日時に指定され、一度に開催される形となります。
その場合、経営者の方は、会社の集会については会社代表者の立場として出席し、経営者個人の集会については個人としての立場で出席することになります。
債権者集会には債権者が出席できますから、経営者の方は集会会場にて元取引先と顔を合わせる可能性もあります。
ただ実際のところ、債権者が集会に出席してくるケースは少数派ですから、過度に心配される必要はありません。
また、いずれにしろ債権者集会での報告は破産管財人が行い、経営者の方が債権者の前で釈明を強要されるようなことはありませんからご安心下さい。
債権者集会は1ヶ月~3ヶ月程度の間隔を置いて開催されるため、集会を何度か実施するような案件では、破産手続の終結まで、かなり時間がかかることもあります。
その間、経営者の方がどこかに就職して給料を得ることは問題ありませんし、むしろそのようにして早く生活を立て直せるように頑張っていただきたいと思います。
集会の終了
集会が終了すると、破産会社は全ての精算を終えて消滅します。
経営者の方個人に関しては通常、債権者集会終了したタイミングで「免責許可決定」が出されます。
「免責許可」とは、経営者の方が支払義務を課されている「会社の連帯保証債務」や「個人名義のキャッシング債務」などについて、支払義務を免除するという裁判所の決定です。
特に債権者の異議などが出なければ、免責許可決定は約1ヶ月で確定し、晴れて免責となります。
なお、「どの時点での負債が免責されるのか」という問題がありますが、これは破産手続開始決定が出た時点です。
したがって、破産手続開始決定よりも後の契約により生じた債務などは、免責の対象ではありません。
また、破産手続開始決定前のものであっても滞納している税金なども免責の対象外となりますので注意してください。
どれくらい時間がかかる?
先述したとおり、集会を何回行うかによって全体の所要時間は大きく変わってきます。
破産手続開始決定が出てから4ヶ月程度で免責確定まで全て完了する件もある一方、管財人による調査の過程で新たな問題が判明するようなことがあれば、債権者集会が終結するまで1年以上かかってしまう件もあります。
事業資産がある程度残されている場合、債権者への配当が実施されることが多くなり、その場合は債権者集会が2回~3回行われています。
このほか不動産の処分をしたり未回収の貸金請求訴訟を起こしたりと、破産管財人の仕事が増えるほど手続は長期化します。
一般論で言えば、大規模な件や調査事項・問題点の多い件については、終結まで時間がかかる傾向にあることを覚悟する必要があるでしょう。
まとめ
このように会社・事業主が破産しようとすると、主婦やサラリーマンが多重債務状態になって破産しようとした場合よりも手続がずっと複雑で、破産手続自体の期間も長くなってくることが珍しくありませんが、当事務所の弁護士が最後まで万事サポートをいたします。
事業が行き詰まってくると、経営者の方は一人であれこれ考えすぎてしまいがちです。
返済するメドも立っていないのに多額の融資を受けたり、会社の資産について親族に名義変えをしたり安価に処分したり、特定の債権者だけに全額返済をしたりといった、倒産直前の不自然な動きがあれば、その後の破産手続における調査事項をかえって増やしてしまうことになりがちですから十分ご注意下さい。
繰り返しになりますが、まずは早めに無料法律相談をお申し込み頂きたいと思います。
無料法律相談はどう進みますか?
まずは、お電話またはメールにて、無料法律相談予約をお申し込み下さい。
ご希望の日時と、弁護士のスケジュールを調整の上で、相談予約をお取りします。
※当事務所の無料法律相談は完全予約制です。
個室での法律相談
予約の日時に、当事務所までご来所下さい。個室で弁護士が無料法律相談を実施します。
一般的な相談の形式は、相談者1名と弁護士1名での面談方式です。
無料法律相談の所要時間は、案件にもよりますが、基本1時間を確保しています。
もちろん1時間経ったら無条件に終了ということはなく、後のスケジュールが詰まっていなければ、そのままご納得いただけるまで相談続行も可能です。
会社や事業主の自己破産など、複雑な件については複数弁護士での法律相談となる場合もあります。
どこから、いくら借りていますか?
無料法律相談では、あなたがどういう状況なのか、おおまかな状況の聴取から始まることが多いでしょう。
事前にお電話にて簡単な状況をお聞きしている場合もありますが、無料法律相談の際に弁護士から、あらためて状況の確認をさせていただきます。
「どの会社から、いつ頃借り入れを始め、返済状況がどうだったのか、月々の収入から返済に回せる額はどの程度か」といったことをお聞きしながら、現在の状況を整理していくことになります。
その上で、ご本人のご希望に沿った解決方法がご提案できそうか、難しそうであれば、他にどういった解決策があるか、ということを詳しくお話しましょう。
過払い金の回収はどう進む?
取引期間が長い場合や、既に完済している場合など、過払い金の発生が見込めるようなケースでは、過払い金回収を行う場合の流れについて詳しくご説明を差し上げます。
「裁判を起こした場合にどうなるのか?」「回収にかかる時間は?」「メリット・デメリットは何か?」など様々な不安や疑問もあるかと思いますので、何か心配な点や疑問に思う点がありましたら、お気軽に弁護士に質問してください。
なお、複数の会社に対して過払い金が生じているような場合、どう回収を進めていくか、方針の違いが当然生じてきます。
例えば「この会社からは徹底的に回収したい」「倒産が怖いので、とにかく早めに回収したい」など、ご希望をおっしゃって頂ければ、その方針に沿って解決方針を立ててまいります。
債務が残りそうな方の場合
例えば任意整理をご希望であれば、「月々いくら返済可能か」が大変重要なポイントです。
負債額がとても多いのに月々の返済資金が少ないという場合には、返済計画を組むことが難しくなってしまうことも考えられます。
そうしたときには、自己破産や個人再生といった解決方針についても考慮する必要が出てくるでしょう。
自己破産に抵抗感を覚えるという方もいらっしゃいますが、そのメリットとデメリットについては弁護士から詳しくご説明しますので、まずは検討してみて下さい。
自己破産を前提とした法律相談を行う場合、「どうして破産するほど負債が増えてしまったのか」という経緯や、借り入れ金の使途などを詳しくお聞きした上で、今後の進め方を検討、ご説明します。
破産をして免責が認められたとしても、浪費など問題のある生活状況が変わらなければ、また同じようなことになってしまいかねません。
どこか収入に見合わない華美な生活をしているという方も少なくありませんから、これまでの生活状況を客観的に振り返ってみてください。
なお管財事件になる見込みが高い場合、裁判所に納める管財予納金の準備も必要になりますから、必要となる費用の目安や、管財事件の流れなどについても、無料法律相談の際に詳しくご説明しております。
ご依頼されるかどうかについて
当事務所の無料法律相談を受けられた後、正式に債務整理や過払い金回収をご依頼されるかどうかは、ご自由に決めていただいて結構です。
正式なご依頼を希望される方については、無料法律相談の実施後、契約書を作成して内容のご説明を差し上げた後、契約書の取り交わしを行います。
契約書には着手金の額や支払日、成功報酬の割合などを明記しますから、後で不明確な弁護士費用などが発生することはありません。
なお当事務所では、任意整理の減額報酬は不要、完済会社からの過払い金回収については着手金も不要となっておりますので、比較的分かりやすい費用体系になっているかと思います。
また、正式にご依頼された後の債権者対応などは、あなたの代わりに全て弁護士が行います。
例えば法律相談の帰り道に債権者から電話があったとしても、「弁護士に依頼した」と伝え、当事務所の弁護士名を伝えていただければ、それ以降はもう取り立て電話はかかってきません。
その後の対応は全て当事務所にて行います。
法律相談後にご依頼を希望されない場合には、一通りのご説明と質疑応答が終わった段階で、相談終了となります。この場合でも、法律相談はもちろん無料です。
債務整理を弁護士に依頼することにはメリット・デメリットがありますから、一旦持ち帰ってご家族と相談をされたり、家計状況を再検討してみるということも一つの進め方です。
後日、やはり正式依頼をご希望されるという場合には、再相談の予約をお取りして契約書の取り交わしなどを行いますので、再度電話やメールにてご連絡下さい。
なお当事務所では再相談の場合でも、法律相談は無料となっています。
まずは無料法律相談をお申し込み下さい
今回ご紹介したのは最初に実施する無料法律相談の、おおまかな流れです。
最初の無料法律相談では、まだ実際の状況が詳しく判明していませんから、ある程度一般的な進め方のお話をしつつ、お聞きした状況から予想できるポイントについて重点的にご説明するという方式になってくるでしょう。
例えば各社完済しており過払い金が見込めるような方については、過払い金回収の流れを詳しくご説明いたします。
負債の圧縮があまり見込めないようなケースについては、ご本人のお気持ちにもよりますが自己破産や個人再生の違いなどについても詳しくご説明することになるでしょう。
このように、基本的には弁護士から状況を詳しくお聞きして、聴取内容に応じた今後の進め方をご説明するということになりますが、ご心配な点や疑問点などがありましたら、遠慮なくご質問頂ければと思います。
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