債務者審尋・債務者審問とは、破産手続開始決定が出る前の段階で、あなたご本人が、裁判官から事情聴取を受…
免責審尋とは
「免責」とは、負債の返済義務を免除するという意味です。
「免責審尋(めんせきしんじん)」とは、「この人を免責させてよいか」という点について裁判所が直接判断するために、債務者(自己破産を申し立てた方)ご本人を裁判所に呼び、事情を聴取するという手続です。
個人の方が自己破産しようとする場合、「債務の返済義務を免除してもらう」ことを主な目的としていることが一般的ですから、免責審尋期日は、きちんと免責を得られるかどうかが判断される、とても大事な期日といえます。
自己破産と免責許可の関係
「自己破産」することと、「免責許可」されることは、別の問題です。
少し分かりにくい部分ですが、「自己破産」という制度は、「もう支払えません」という宣言をした上で、残った財産をお金に換え、全債権者に公平な分配を行うための手続です。
一方「免責許可」という制度は、「自己破産」しても残った債務について、その支払義務を免除するという手続です。
個人の方が自己破産する場合、前述のとおり「免責許可」を得ることが主目的となりますから、「破産手続開始の申立」をした場合、特に反対の意思表示をしていない限りは、同時に「免責許可の申立」をしたとみなされます(破産法248条4項)。
このため、同時廃止・管財事件いずれについても、破産手続が終わるとそのまま免責の判断にシフトし、あたかも一体の手続であるように見えるわけです。
なお「管財事件」の場合、最後の債権者集会において免責判断も行われるため、「免責審尋」の期日が独立して設けられるのは「同時廃止」の場合のみです。
免責審尋の運用
「免責審尋」を実施するかどうかは、裁判所によって運用方式が若干異なります。
名古屋地方裁判所(本庁)の場合、基本的には全件について免責審尋を実施します。
破産手続開始決定前の「債務者審尋」はあまり実施されないため、「同時廃止」の案件で債務者ご本人が裁判所に呼ばれるのは、多くのケースで免責審尋の期日だけ(1回)です。
一方、名古屋地方裁判所の岡﨑支部など、「免責審尋」を基本的に実施しない裁判所もあります。
こうした裁判所で「同時廃止」となった場合、債務者ご本人が一度も裁判所に呼ばれないまま、免責許可決定の確定まで完了するケースもあります。
◆◆こちらもご覧ください
→【 自己破産などの債務整理で、裁判所に行く必要は? 】
免責審尋期日には、弁護士が同伴します
名古屋地方裁判所(本庁)における免責審尋は、自己破産を申し立てた10数名の方々が、集団で裁判官と面接する集団審尋の形式です。
想像されている展開とは、少し違うものかもしれません。
裁判官から事情を聞かれる、ということで緊張される方もいらっしゃるかもしれませんが、弁護士が裁判所まで同伴してサポートしますから大丈夫です。
ただ裁判官から「免責とは、どういう意味なのかちゃんと理解していますか?」などと、個別に質問を受けることもありますから、気を抜かずに、きちんとした姿勢で臨んでいただきたいと思います。
基本的な受け答えの例、服装や弁護士との合流場所など細かい点についても、事前にご案内します。
免責審尋後、免責許可決定までの流れ
「免責審尋」を無事に終えると、即日~1週間程度の期間内に、裁判所から「免責許可決定」が出されます。
約1ヶ月経過すると、「免責許可決定」が確定し、税金などの例外を除いた全ての債務が、支払義務を免除されます。
案件によってご事情も様々ですが、皆さんこうしたプロセスを経て、債務の免除を得て再出発されています。
弁護士に相談されること、きちんとした内容の書面を作成して自己破産の申し立てを行うことが「免責許可」への第一歩ですから、早い段階でご相談下さい。
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