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連帯保証人の自己破産

★連帯保証債務も、ご自身名義の債務です。
★自己破産する場合、連帯保証債務も含めての破産となります。
 
 

連帯保証人という立場

 
実務上の「保証」は、多くが連帯保証となっています。
 
「連帯保証人」になった方は、主債務者と同じ内容の債務を負っており、債権者からいつでも支払請求を受けうるという、大変責任の重い立場にあります。
 
ご本人様としては、主債務者がきちんと支払っていくものと思っていたところ保証債務の履行請求を受けてしまい、「頼まれて保証人になっただけなのに」という思いがあるかもしれません。
 
しかし(連帯)保証債務というものは、主債務とは別個の、保証人になった方ご自身の債務ですから、こうした展開になることが、現実として時々あります。
 
 

主債務者と同時に、
連帯保証人も自己破産するケース

 
★会社が主債務者、経営者が連帯保証人というケース
★夫が住宅ローンの主債務者、妻が連帯保証人というケース
★奨学金について、ご本人が主債務者、両親・親族が(連帯)保証人というケース
 
連帯保証人は、主債務と同内容の債務を負っています。
 
主債務者の支払いが滞ってしまい、主債務者が自己破産や個人再生をした場合、連帯保証人の方に全ての請求が回ってしまいます。
 
そこで、「いずれにしても、もう支払えない」ということで、主債務者・連帯保証人が一緒に自己破産するという事案は、一般的に見られるものです。
 
夫婦のように、主債務者と連帯保証人どちらも個人であるケースのほか、主債務者が会社(法人)で、会社経営者が連帯保証人になっている事例も一般的です。
 
関係者が全員破産するということで、少し大事にはなってしまいますが、連帯保証人も一緒に自己破産することで、関係者全員の債務について、根本的な解決を図ることが可能になります。
 
いずれにしても支払えない状態なのであれば、こうした解決もやむを得ない場合があります。
 
 

主債務者の支払が滞ったことで、
保証人が履行請求を受けたケース(一例)

 
時々みられるのが、婚姻中に組んだ住宅ローンについて、夫が主債務者、妻が連帯保証人となっていたものの、離婚することになったケースです。
 
こうした場合、離婚時に当事者と金融機関が話し合って元妻を連帯保証人から外すことができればよいのですが、金融機関の側にはそうした措置を取る義務も必要性も通常ありませんから、元妻が連帯保証人のまま残ってしまうことがあります。
 
元夫が、きちんと住宅ローンの支払を続けているうちは問題が顕在化しませんが、どこかの段階で支払が滞ると、当然ながら連帯保証人である元妻も、保証債務の履行請求を受ける状態となるのです。
 
元妻であるご本人としても、「今頃になって」というお気持ちになると思いますが、こうした場合でも元妻は自らの連帯保証債務について、自己破産・免責許可を得ることで、支払義務の免除を得ることが可能です。
 
住宅ローンの残高や、現在の住宅価値にもよりますから、まずは状況をきちんと確認した上で方針を検討することがよいでしょう。
 
 

連帯保証人だけ、先に自己破産できるか?

 
主債務者の動向に関係なく、連帯保証人だけが単独で自己破産するというケースもあります。
 
例えば、主債務者の支払が現段階では滞っていない場合であっても、これと別に自己名義でカード会社や消費者金融から多額の借り入れがあり、「もう支払っていけない」という状態にある方は、主債務者に相談などをする必要なく、ご自身の判断で自己破産することが可能です。
 
この場合、自らの連帯保証債務も、他のカード会社や消費者金融からの借り入れも、全てまとめて免責許可の獲得を目指していく形となります。
 
 

住宅ローンの連帯保証人 注意点

 
前述のとおり、住宅ローンの連帯保証人が、主債務者とは別個に破産することは可能です。
この場合「住宅について、共有持分を有しているかどうか」によって、取り扱いが変わる場合があります。
 
不動産の名義が最初から元夫の単独所有であれば、元妻は連帯保証債務のみを負っており、不動産持分は所有していませんから、状況としてはシンプルです。
 
一方、元妻が現在も不動産の共同持分を有している場合、「不動産を所有しているケース」として、管財事件になってしまうことがあります。
 
不動産全体がオーバーローン判定可能なケースや、すでに競売が完了しているケースであればまた別ですが、まずは不動産名義も含めた資産状況について、よく確認をさせていただきます。
 
 

奨学金の連帯保証人 注意点

 
日本学生支援機構の奨学金は、父母から「連帯保証人」1名を取りつつ、兄弟・叔父叔母などの親族からも「保証人」1名を取る形になっており、もし奨学生ご本人が自己破産すると、親だけでなく親族にも影響が及んでしまうケースが多くなっています。
 
ただ奨学金の保証制度には、人間が保証人になる「人的保証」だけでなく、専門会社が保証人になる「機関保証」という形もあります。
 
機関保証であれば、奨学生ご本人が自己破産されても、その影響が両親や親族に及ぶことはありません。
 
ご本人が「連帯保証人がいる」と思っていたものの、調査してみたところ機関保証だったというケースもありますから、まずは契約内容をよく確認されることをオススメします。
 
 

連帯保証人の自己破産 まとめ

 
連帯保証人の方が自己破産や個人再生をお考えの場合、まずは現在のご状況について、詳しく聴取をさせていただきます。
ご不明点、不安な点などがございましたら、何でもおっしゃってください。
 
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