名古屋地方裁判所の個人再生 住宅オーバーローンの判定方法 固定資産評価額からオーバーローン判定できる…
個人再生では、住宅の価値に注意!
「住宅を残す」タイプの個人再生は、早めに取りかかるべきです。
あまり頑張って住宅ローンの返済を続けていると、住宅の価値が高くなりすぎてしまい、個人再生を利用しづらくなる場合があります。
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個人再生によって、負債がどこまで減るのか(=返済総額がいくらになるか)は、ご本人の資産総額に大きく影響されます。
「個人再生の返済総額は、あなたの資産総額を下回ることができない」というルールを覚えておいてください。
このルールは言い換えると「個人再生を行ったとしても、最低限、ご自身の資産総額以上を返済する必要がある」とも表現できます。
例えば、「住宅に大きな価値が出ているケース」では、個人再生という手段が効果的な解決方法にならない可能性があるのです。
個人再生における住宅価値の算出方法は、少し複雑ですから、きちんとした試算を行い「個人再生をした場合の返済予想額」を早い段階で把握しておくことをオススメします。
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住宅ローン支払い中の自宅価値
ご本人名義の住宅は「資産」、住宅ローンは「負債」です。
一般的には、「住宅の時価よりも、住宅ローン残額の方が多い状態(オーバーローン状態)」が、個人再生をするには適しています。
この状態であれば、住宅は実質的に無価値と考えられ、資産としてカウントされないからです。
ところが、頑張って住宅ローンを返済していく(=住宅ローンの残額を減らしていく)と、どこかの段階で、住宅に余剰価値が生じてくる(=オーバーローンでなくなる)場合があります。
住宅価値の一部が、「資産」としてカウントされ始めるのです。
★★こちらの記事もご覧ください
→ 【 個人再生における住宅オーバーローンの判定方法 】
<モデルケース1>
住宅の時価2000万円・住宅ローン2500万円
→ オーバーローン状態
<モデルケース2>
住宅の時価1500万円・住宅ローン1300万円
→ 住宅に200万円の価値が生じています
具体的な試算モデル
(小規模個人再生の場合)
・負債総額:600万円
・住宅「以外」の資産(預金・退職金・保険などの合計):100万円
※退職金は、原則的に支給予定額の8分の1を計上します。
・住宅の価値:【?】
上記の事情を前提に、個人再生をした場合の最低弁済額を考えてみましょう。
住宅がオーバーローンのため無価値であれば、負債総額600万円の5分の1である120万円と、住宅以外の資産総額100万円を比較し、多い方の120万円が小規模個人再生の最低弁済額となります。
しかし、住宅に50万円の価値が生じた場合はどうでしょうか。
この場合の資産総額は、元々の100万円に住宅価値50万円がプラスされて150万円となりますから、負債総額600万円の5分の1である120万円よりも多い、150万円の方が最低弁済額となります。
さらにこの状況下では、毎月の返済によって住宅ローン残額が減るため、資産総額は毎月増えていきます。
住宅ローンの返済をすればするほど、個人再生の最低弁済額が増えていく状態になるのです。
もちろん負債総額も、遅延損害金が付加されて毎月増加していきますから、最終的には、どちらが多いかの問題になります。
しかし負債総額は多くの場合、5分の1で計算されますから、実際には住宅価値の方が早いペースで増加していくことが多いでしょう。
このように、住宅ローンを返済すればするほど、個人再生を行った場合の最低返済額が増える状態になると厄介です。
どこかの段階で返済可能な限界を超えてしまいますから、一刻も早く対処をしなければなりません。
★★こちらの記事もご覧ください
→ 【 個人再生における住宅オーバーローンの判定方法 】
頭金を多く入れているケース
住宅購入時、住宅ローンの頭金を多めに入れていたケースでは、住宅ローン残額が最初から減った状態でスタートしているため、「購入当初から住宅に余剰価値が生じている」あるいは「早い段階でオーバーローン状態でなくなる」という傾向があります。
こうした方も特に注意が必要で、一刻も早く弁護士にご相談いただく必要があります。
資産価値が高額になった場合
住宅の価値がプラスとなるケースでは、個人再生を行った場合の最低弁済額が大幅に上昇してしまうことがあります。
例えば、住宅の余剰価値を含めたトータルの資産総額が400万円というケースでは、個人再生を行ったとしても、返済総額は400万円を下回ることができません。
住宅ローンの支払いを継続しつつ、最低でも400万円を最大5年(60か月)で返済する計画を立てなければならないのです。この場合、400万円÷60回ですから、月々の返済額は約6万7000円となります。
つまり住宅ローンの支払と別に、最低でも月額約6万7000円の余剰が毎月生じている生活状態を裁判所に示すことができなければ、個人再生の再生計画案は認可されないという結論になります。
実際の収入状況などに照らして、こうした返済計画が現実的でないということであれば、親族の援助を取り付ける方法や、自己破産など別の選択肢を検討しなければならないケースもあります。
任意整理であれば、8年9年といった超長期分割も成立可能な場合がありますから、場合によっては任意整理の方が、現実的な返済計画を立てられるかもしれません。
個人再生では、住宅の価値に注意! まとめ
「住宅を残したい」という方については、以上のような問題を検証する必要がありますから、まずは住宅の価値を早めに確認させていただきたいと考えております。
ともかく早い段階で一度、当事務所の無料法律相談を受けてください。
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