個人再生をお考えの方、「税金滞納」はありませんか? 「税金滞納」をそのままにしておくと…
個人再生準備中に給与を差し押さえられた!
個人再生の準備中に、債権者から給与などを差し押さえられると、差し押さえられた金額が個人再生の返済総額に上乗せされ、返済総額が大幅に増加してしまう危険があります。
個人再生は、ご準備いただく関係資料も多いですが、迅速にご対応いただくことがとても重要です。
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借り入れの返済を滞納した状態が続くと、債権者に裁判を起こされ、財産を差し押さえられるリスクが高まってきます。
一般的に差し押さえの対象となりやすいのは、あなたの「給与」です。
給与を差し押さえられてしまうと、手取り額の約4分の1が勤務先から天引きされた状態になりますから、日常生活の維持や、弁護士費用の分割払も苦しくなってしまいます。
この点だけでも非常に困った事態といえますが、個人再生の手続上は、さらに深刻な事態となる危険があります。
弁護士に個人再生を依頼し、個人再生申立の準備中に債権者の差し押さえを受けた場合、差し押さえられた金額が「個人再生の返済総額」に上乗せされ、当初の想定よりも返済総額が高額化してしまう場合があるのです。
このような展開にならないよう、迅速に個人再生の準備を進めましょう。
ご状況に応じて、最適な進め方をご提案します。
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清算価値への上乗せ
個人再生の準備中、「特定の債権者に対する優先的な弁済(偏頗弁済 へんぱべんさい)」が確認された場合、この偏頗弁済されたお金は「本来は存在したはずの資産」として、ご本人の資産総額(清算価値)に上乗せしてカウントされることが一般的です。
債権者に給与等を差し押さえられた場合、これは強制的に取り立てられているのであって、ご本人の意思で優先的な返済をしたわけではないのですが、個人再生の手続上は、「偏頗弁済」と同視されてしまうことがあります。
結果、「差し押さえを受けた金額」が、あなたの資産総額(清算価値)に上乗せしてカウントされることがあるのです。
清算価値が増加することの悪影響
「清算価値への上乗せ」があると、何が良くないのでしょうか?
ご本人の資産総額(清算価値)は、個人再生の最低弁済額を決定する基準の一つです。
個人再生の最低弁済額が清算価値によって決定されるケースでは、差し押さえられた金額(偏頗弁済とみなされた金額)が清算価値に上乗せされると、その分だけ個人再生の最低弁済額が増加する結果となります。
差し押さえられた分だけ、当初の想定よりも個人再生の返済総額が増えてしまう結果となるのです。
しかも実際に差し押さえをされたお金は戻ってきませんから、「差し押さえをされた金額」と「返済総額に上乗せされた金額」という、二重の支払負担が生じる結果となります。
差押を受けた場合の返済総額
モデルケース1(小規模個人再生の場合)
・負債総額:600万円
・資産総額(清算価値):100万円
・差し押さえられた金額:合計60万円
A:「負債」総額600万円の5分の1 → 120万円
B:「資産」総額100万円 + 差し押さえられた額60万円 → 160万円
Bの額が大きいため、160万円が最低弁済額となります。
差し押さえられた金額60万円が清算価値に上乗せされた結果、清算価値が合計160万円となり、負債総額の5分の1である120万円を上回るため、このモデルケースでは個人再生の最低弁済額が160万円となります。
もし差押が無ければ、差し押さえ前の負債総額660万円の5分の1である132万円が個人再生の返済総額となった可能性もありますから、差押によって個人再生の返済総額が28万円も増加しています。
また、既に差し押さえられた部分と二重払の状態にもなっています。
差押の影響がないケース
債権者の差押があった場合、常に個人再生の返済総額が増加する訳ではありません。
差押を受けた場合の返済総額
モデルケース2(小規模個人再生の場合)
・負債総額:900万円
・資産総額(清算価値):100万円
・差し押さえられた金額:合計60万円
C:「負債」総額900万円の5分の1 → 180万円
D:「資産」総額100万円 + 差し押さえられた額60万円 → 160万円
差し押さえられた額を加算しても、まだCの額が大きいため、差押の有無にかかわらず、当初の想定通り180万円が最低弁済額となります。
個人再生の最低弁済額が「負債」総額により決定されるケース(「負債」総額から算出される返済額が、資産総額(清算価値)を上回っているケース)については、清算価値に多少の上乗せがあっても、その額が「負債」総額から算出される弁済額を超えない限り、返済総額への影響はありません。
ただ今後も差し押さえが続く場合、どこかの段階で清算価値によって返済総額が決定される状態に切り替わる可能性はあります。
個人再生の申し立て後は、
給与差押をストップできます
個人再生の準備中に差し押さえを受けた場合、以上のように返済額を増加させるリスクが生じますが、裁判所に個人再生の申し立てを行った後は、差し押さえ(強制執行)を止める手続が用意されています。
個人再生申立後に「強制執行中止の申立」が認められた場合、または裁判所から「再生手続開始決定」が出された場合、強制執行は中止され、差し押さえを行った債権者への支払はストップされます。
ただ、強制執行を「中止」しただけでは、毎月行われている給与からの天引は解除されず、個人再生の再生計画が認可・確定するまで、勤務先が天引分を預かる状態になります。
この状態を解消するためには、強制執行の「取消」が必要です。これは裁判所が「再生のため必要がある」と判断した場合に認められるもので、具体的なご事情から強制執行の「取消」の必要性を訴えていく形となります。
また最終的に、再生計画の認可決定が確定した場合も、強制執行は失効します。
差押を受けないように進めることが基本
以上のとおり様々なパターンがありますが、そもそも給与の差押を受けること自体に、毎月の生活費が減り、勤務先に差押の事実を知られてしまうリスクがある点を忘れてはいけません。
裁判を起こされたり、差押を受けるような事態にならないよう、速やかに準備を進めることが基本方針です。
「裁判」や「差押」に積極的な傾向のある債権者が含まれている場合、特に注意して迅速な申立準備を進める必要があります。
個人再生を行うためには、給与明細や家計簿など、ご本人様に用意していただかなければならない書類も多くあります。
家計の収支が個人再生の申立に適さない状況であれば、思い切って支出を削減するなど、具体的な改善策を実行していただけないと、個人再生の申立を行うことができないケースもあります。
ご本人が「絶対に立ち直りたい」という強いお気持ちを持って、必要な事項について迅速にご対応いただくことで、はじめてスムーズな個人再生手続が実現可能となるのです。
「すでに裁判を起こされている」
「公正証書を取られている」
こういった方は、一刻も早く個人再生の準備に取り掛かる必要があります。
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