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債務者審尋・債務者審問

債務者審尋・債務者審問とは、破産手続開始決定が出る前の段階で、あなたご本人が、裁判官から事情聴取を受ける面談のことです。
 
債務者審尋の実施により、ご本人が裁判所に行かなければならない回数が1回増えます。
ただ、名古屋地方裁判所本庁での実施割合は高くありません。
 
一般的に債務者審尋は、ある程度の問題事情が認められるケースについて実施されます。
 
債務者審尋を実施した上で、「管財事件」となるケースも少なくありませんが、結果的に「同時廃止」が認められたというケースも多々ありますから、まだ諦めてしまう局面ではなく、むしろ頑張り所と言えます。
 
債務者審尋には、必ず弁護士が同伴し、裁判官との面談時にも同席することで、あなたを万事サポートします。
 
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自己破産の申立後、破産手続開始決定が出される前の段階で、「債務者審尋(さいむしゃしんじん)」または「債務者審問(さいむしゃしんもん)」という、裁判官との面談期日が設定されることがあります。
※地域によって、名称は若干異なります。
 
債務者審尋は、裁判所が必要と判断した場合に実施されますが、実務的に多くみられるのは「激しい浪費がある」「債務増加の経緯に不明確な点がある」といった破産手続上の問題行為・問題事情が認められるケースについて、ご本人が裁判所に呼び出されて、裁判官から直接、詳しい経緯について聴取を受けるという展開です。
 
ご本人にとっては、裁判所に行かなければならない回数が1回増え、裁判官の聴取を受けなければなりませんから、かなりのご負担ではあるでしょう。
 
債務者審尋を実施した上で、さらに管財事件への移行を指示されるというケースも珍しくありませんから、決して楽観的に考えてよい展開ではありません。
 
とはいえ裁判官の質問や指摘にきちんと対処することで、同時廃止が認められたケースも多々あります。
 
そもそも、「問題事情が非常に深刻」と判断されたケースについては、債務者審尋を実施するまでもなく、ただちに管財事件とされることが通常ですから、むしろ債務者審尋が実施されるケースは、同時廃止が認められる余地がまだ残されているのだと、前向きに考えることが良いかと思います。
 
裁判官との面談には、必ず弁護士が同席してサポートします。何とか同時廃止が認められるように、ともかく誠実な対応を心がけ、頑張って面談に対応しましょう。
 
まずは「名古屋駅 弁護士の無料法律相談」をお申込ください。

 
 

債務者審尋(債務者審問)の実施

 
債務者審尋は、平日の日中に、破産申立を行った地方裁判所で行われます。
 
似た制度として、あなたの免責を判断する免責審尋期日があり、名古屋地方裁判所では十数人が一度に裁判官と面接する集団審尋方式となっていますが、「債務者審尋」裁判官と債務者ご本人、1対1の個別面接方式です。
 
債務者審尋の現場では、裁判官が今回の破産申立書類を確認しつつ、あなたに対して「浪費的な生活があったようですが、今はどのように生活を改善していますか」「この時期の借り入れは、どのような認識で行っていたのですか」といった質問や、今後の生活態度に関する注意・指導などが行われます。
 
同じ審尋期日であっても、免責審尋集団審尋であり、裁判官から聞かれる内容も「今日はどういう理由でここに呼ばれたか理解していますか」といった比較的、形式的な質問内容です。
出席者全員が、裁判官に質問されるわけでもありません。
 
一方「債務者審尋」では個別案件の内容について、裁判官と1対1で、今回の具体的な案件内容に踏み込んだ質問や指摘がありますから、きちんと考えて適切な返答を行う必要があります。
 
とはいえ弁護士が債務者審尋の場に必ず同席し、ご本人からうまく説明できない状況になったとしても、適切にサポートさせていただきます。
 
 

債務者審尋が終了した後の進行

 
債務者審尋を終えると、聴取内容を踏まえた再検討が裁判所で行われます。
今回の破産申立について、裁判所として「同時廃止」を認めるか「管財事件」にするか、「管財事件」にする場合、「少額管財」を認めるか否か、といった結論が比較的すぐに出されます。
 
債務者審尋を実施した結果、やはり破産管財人による正式な調査が必要という判断から「管財事件」となる案件も珍しくはなく、決して楽観的にはなれません。
 
しかし、全体的に見ると、債務者審尋を経て「同時廃止」が認められる案件の方が多いのではないかと思います。

 
 

債務者審尋に出頭する際の心構えとは?

 
自己破産の申立をした債務者ご本人の立場からすると、裁判所に呼び出されて裁判官と面談することが突然決定するわけですから、やはり緊張するかもしれません。「前日の夜は眠れなかった」というお話はよく聞きますし、緊張のあまり債務者審尋の場で泣いてしまった方もいます。
 
しかし管財事件になれば、裁判所に納める「管財事件の予納金」が最低20万円必要となりますから、何とか同時廃止を認めてもらえるように、ここは頑張らなければなりません。
 
債務者審尋の期日には、弁護士があなたの「申立代理人」として必ず同席しますから、一人で裁判官と会うわけではありません。
過去に行ってしまった浪費や無計画な借り入れなどは真摯に反省して、今は堅実に頑張っている姿勢を率直にアピールしていきましょう。

 
 

債務者審尋になりそうなケースとは?

 
債務者審尋が実施されるかどうかは、自己破産の申立をした後で、破産申立書類の内容を裁判所が確認・検討した上で決定することですから、事前に確実な予測はできません。
 
一般論で言えば、申立代理人から見ても「破産手続上の問題行為・問題事情がある程度みられ、書面審査だけで同時廃止が認められるか不安はあるものの、だからといって破産管財人が詳しい調査を行うほどの不明点や未解決事項も無いと思われるケース」については、債務者審尋を実施する判断になる余地があります。
 
ただ、例えば愛知県一宮市を中心としたエリアを管轄する「名古屋地方裁判所一宮支部」のように、基本的に「免責審尋」を実施せず、「債務者審尋」の方を広く実施するという裁判所もあります。
 
また、岐阜県岐阜市を中心としたエリアを管轄する「岐阜地方裁判所」のように、案件の内容によっては「免責審尋」「債務者審尋」いずれも実施しない裁判所もあります。
 
このように、近隣地域でも審尋の運用はかなり異なっており、今後変更される可能性もあると思いますが、地域の基本運用を前提としつつ、「同時廃止か管財事件か」の検討が必要な場合や、案件内容が複雑な場合について、ケースバイケースで債務者審尋を実施していくという方向性でよいかと思います。
 
基本的に、名古屋地方裁判所の本庁では「免責審尋」は必ず実施され、「債務者審尋」は案件に応じて時々実施される、という理解でいてください。
 
事前の確実な予想は難しいですが、いずれにしても債務者審尋の実施が決定した場合は、出席しないという選択肢はありません。
弁護士が個別にご説明を差し上げ、万事サポートしますからご安心ください。
 
 

「弁護士」は債務者審尋に同席できます

 
弁護士は、あなたの自己破産申立について「申立代理人」という立場です。
申立代理人は、債務者審尋の期日に出頭し、あなたが裁判官の面談を受ける場にも同席することができます。

 
裁判官からは、あなたに対して色々と質問が行われますが、うまく答えられない事情について、申立代理人である弁護士から裁判官に対して直接説明し、あなたをサポートすることができます。
 
「司法書士」に自己破産を依頼された場合、司法書士は「申立代理人」ではないため、債務者審尋には同席できず、裁判官と話すこともできません。
あなたご自身が、一人で裁判官の質問に対応することになります。
 
業種によって、こういった違いがあることも念頭に置いておいてください。
 

債務者審尋・債務者審問 まとめ

 
債務者審尋は、必ず実施されるものではありませんから、現時点で過度に心配される必要はありません。
 
ただ、債務者審尋の実施が決まった場合は、あなたの案件が「同時廃止」と「管財事件」の間で揺れている状態を意味しますから、同時廃止が認められるように、全力で対処する必要があります。
 
弁護士が具体的な対応方針を立て、債務者審尋に同伴して万事サポートします。
 
まずは「名古屋駅 弁護士の無料法律相談」をお申込みください。
 

カテゴリ:債務整理,管財事件,自己破産 2013/06/11