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住所を隠したまま自己破産して免責を得る制度(秘匿決定申立)

 
DVや犯罪被害等の事情により、「お金を借りた相手に住所を知られたくない」という方もいらっしゃいます。
 
このような場合に検討すべき選択肢として、現住所を知られずに破産して免責許可を得ることができる「秘匿決定申立」という制度があります。官報にも現住所は載りません。
 
「秘匿決定申立」は例外的な措置であるため、この制度を用いた破産申立をお引き受けできるかどうかは、詳しいご事情を無料相談にてお聞きした上で、弁護士が個別に判断させていただきます。
 
まずは「名古屋駅前 弁護士の無料相談」をお申し込みください。
 

現住所の開示は大原則です

 
破産手続は、ご本人の住所地を明らかにして進める必要があります。
住民登録地と、実際に住んでいる場所(居所(きょしょ)といいます)が異なる場合は、居所も公開対象です。
 
この原則により、ご本人様の現住所・居所は、裁判所から出される「破産手続開始決定」に記載され、全ての借入先(債権者)に郵送されるほか、官報(政府が発行している新聞のようなもの)にも掲載されます。
官報を日常的にチェックしている人は少数派かと思いますが、少なくとも「借りたお金を返せなかった相手」には必ず、ご本人様の住所・居所は知られてしまうのです。
 
※【ご注意】こうした事態を回避するため、意図的に借入先の一部を申告しない(借入先を隠す)行動は、破産手続における重大なルール違反になりますので十分にご注意ください。
 

例外的な住所・居所の秘匿措置

 
この原則を全ての件について適用してしまうと、例えばですが「DV被害を受けた元配偶者に対して、借りたお金の未払がある」といったケースについても、ご本人様の現住所をDV加害者へ通知する事になってしまいます。
 
こうした弊害を回避するため、原則通り現住所・居所を公開したまま破産手続を進めた場合に、ご本人が社会生活を営むのに著しい支障を生ずるおそれがあると判断されるケースについては、例外的に住所・居所を秘匿して進めるという対応が行われます。
 
これは管轄の裁判所に、自己破産申立の関連事件として「秘匿決定申立」を行う方式により申請します。
 
裁判所から秘匿決定が出されると、「破産手続開始決定」や官報公告には「代替住所」という、ご本人の実際の住所・居所ではない別の場所が記載されます。
借りた相手(債権者)に対しても、「代替住所」が記載された「破産手続開始決定」が郵送されますから、現住所・居所を知られる事は無いという事になります。
 

住所秘匿の適用要件について

 
秘匿決定は、原則的なルールを曲げて、例外的に住所等を隠したままで破産・免責の手続を進めるという制度ですから、秘匿決定申立が認められるためのハードルは相当に高いと考えてください。
現住所・居所を公開されることで、ご本人が社会生活を営むのに著しい支障を生ずるおそれが必要です。
 
例えばですが、個人的な金銭の貸し借りで暴行・傷害等を伴うトラブルがあり刑事事件化しているようなケースであれば、借りた側の現住所を秘匿する必要性があると判断される場合もあると思います。
 
あるいは、DVやストーカー等の被害により、ご本人の住民票等を相手が取得できないよう対応する措置(DV等支援措置)が既に取られている方であれば、現住所を秘匿する必要性を別の公的機関が認めている訳ですから、破産手続上の住所秘匿を判断する上での考慮事情にもなると思います。
 

ご注意点

 
・秘匿決定は例外的な対応であるため、秘匿が相当な案件であると、当事務所が判断した場合に限りお引き受けしています。
 
・秘匿決定を出すかどうかの判定は裁判所が行うため、事前に住所等の秘匿を確約する事はできません。
 
弁護士費用は、HPに記載しております一般的な自己破産の金額とは異なります。申立前の事務的な作業量が非常に多くなる手続であるため、ご了承ください。具体的な金額は、無料相談の際にお伝えしております。事前に一般的な金額をお知りになりたいという方は、お電話にてお問い合わせください。
 

まずはご相談ください

 
秘匿決定申立により、現住所を明かせない事情がおありの方でも、自己破産して免責許可を得ることで、借金の問題を解決できる可能性があります。
スムーズな進行となるよう、あらかじめ管轄の裁判所にも相談しつつ進めていきます。
 
ご不安もあるかと思いますが、まずは現在のご状況や、これまでの経緯について詳しくお話しください。弁護士が解決に向けた方針をご提案します。
 
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カテゴリ:名古屋地方裁判所,自己破産 2025/07/30