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過払い金と裁判(前編)

元金100万を年利28%で月々4万円返済していると、3年経っても約11万円の債務が残ります。これを法定利息である年利15%で再計算すると3年後の残債はゼロ、むしろ約19万円の払いすぎです。
 
これを利息も含めて返還するように請求するのが、いわゆる過払い金の請求です。

 
「過払いになっていましたよ」とお伝えしたところ、「それで債務の方はいくらでしたか」と心配されるお客さんが時々いらっしゃいますが、過払い状態になっているということは、その借入先についての債務はもう全く無くなっている状態なわけです。
 

過払い金を回収する

過払い金が出ていた場合、当事務所では「交渉」「訴訟(裁判)」いずれかの方法によって回収しています。
 
たとえば計算上100万円の過払い金が出ており、この過払い金に利息(年利5%)が10万円ついていた場合、過払い金の請求額は総額110万円となります。
 
しかしながら、これは「法律的に請求できる」というだけで、ただ交渉しただけでは相手方も簡単には返還しようとしません。
 
相手の消費者金融やカード会社は通常、「70万円なら返す」「せめて80万円」というように少しでも値切ろうとしてきます。
 
あるいは、返済金額が少なくなるように独自の計算式を使って「うちの計算では75万円だからその額を支払う」と一方的に提示してきたり、ひどい場合では「お金がないので払えない」と開き直ってくることすらあります。

 

訴訟による過払い金回収

当事務所としては、できるだけ満額(上の場合では元金プラス利息の計110万円)の回収を目指して努力することが依頼者の利益となると考えておりますので、基本的には訴訟で満額回収を目指していきます。
 
訴訟にした場合にも、メリットとデメリットがあります。
 

訴訟をした場合のメリット

交渉段階で和解するよりも、回収金額が大幅に増える場合が多いです。

 

訴訟をした場合のデメリット

交渉段階では争点化していなかった問題について、訴訟になれば相手方も争ってくる可能性があります(時効や取引の連続性など)

交渉段階で和解する場合、少なくとも支払期限は明確に定められますが、裁判の場合は、相手の出方次第という面があるため、実際に支払われる時期が事前にはハッキリしません。

 
訴訟にした場合、最終的に判決でこちらの請求が認容されれば、支払日までの利息を含めた満額を支払わせることができます。
 
しかしながら、訴訟になれば交渉段階で主張されていなかった争点について相手方が争ってくる可能性もあります。
 
訴訟になると不利な事情のあるケースでは、可能な限り交渉による解決も試みていきます。
 
このように、発生している過払い金について、具体的にどういった方針で回収していくかについてはケースバイケースで判断していく必要があります。
 
当事務所では、依頼者に状況を随時報告し、その都度相談をしながら方針を決定し業務を進めております。

カテゴリ:過払い金 2018/07/12