過払い金の回収に限りませんが、「支払おうとしない相手からお金を回収する」ということは、そう簡単ではあ…
過払い金請求裁判の流れ
過払い金請求は、皆さんの関心も非常に高い話題かと思います。
「過払い請求もいずれ終わる」と言われ続けている昨今ですが、回収額が百万円単位となる案件も、いまだ見られます。
とはいえ満額の過払い金を回収しようとすれば、きちんと裁判を起こして何度も法廷に通い、準備書面を書き、場合によっては控訴審まで争うという断固とした姿勢が必要であることは、従来から変わりません。
「裁判はどのように進むのか」「どれくらい時間がかかるのか」、過払い請求裁判の流れについて簡単に整理してみましょう。
提訴に至るまで
過払い金が生じていた場合、回収手段として裁判を選択するかどうか、まずは検討する必要があります。
裁判にすると不利な場合や、実費倒れになる危険性の高い場合もありますから、弁護士から率直にリスクをお伝えした上で方針を協議していきます。
ただ一般的に、交渉段階では消費者金融・カード会社側からの支払提示額が非常に低いため、当事務所では「裁判による回収」をお勧めすることが多くなっています。
ここで裁判を起こさず、安易に交渉で回収しようとすると、本来請求できる金額から何割もの減額を覚悟しなければならないでしょう。
手間を惜しまず、きちんと裁判で満額回収する方針の専門家かどうか、是非とも確認をしていただきたいと思います。
裁判の管轄
過払い請求訴訟は、依頼者ご本人の住所地を管轄する裁判所が基本となります。
被告となる消費者金融・カード会社の本店所在地にも管轄があるほか、実際に取引していた支店・ATM所在地等に管轄が認められる場合もありますが、基本的には請求者の住所地を管轄する裁判所で提訴することが多くなるでしょう。
当事務所では、名古屋を中心としつつ豊橋・伊賀・大垣など比較的遠方も対応可能となっておりますので、静岡・三重・岐阜にお住まいの方もお気軽にご相談いただければと思います。
期日に出廷する
過払い金請求訴訟を提訴すると、1ヶ月~2ヶ月ほど先の平日に裁判の期日が入ります。
裁判期日というのは、裁判所で訴訟当事者が会合して主張や立証などを行うための時間です。
当事務所では弁護士が原告代理人として出廷しますから、依頼者ご本人が裁判所に行かなければならないような展開は通常ありません。
期日を何回実施するかは裁判官の裁量ですから、1回目の期日で弁論終結して判決が言い渡される案件もあれば、弁論終結まで4回も5回も期日を実施する案件もあります。
期日が何回入るかによって判決までの時間も大幅に変わってきますから、こうした事情も「裁判にどれくらい時間がかかりますか」というご質問についての回答を難しくしているのです。
遠方の法廷に何度も出廷する負担は小さくありませんが、当事務所では安易な減額和解で妥協せず、満額回収の和解または全額認容判決に向けて各地の法廷へ日々地道に出廷しています。
期日にて争われるポイント
「取引の分断」は、従来から大きな論点の一つです。
取引途中で一旦完済し、しばらく経ってまた借りたような場合、取引が分断していると見るか否かで請求額が大きく変わります。
分断が争点となりうるケースの場合、当事務所としては請求額が出来るだけ大きくなるように取引の一連性を主張していきますが、空白期間があまりにも長かったり、外形上明らかに別個の契約と見うるような要素がある場合等では、判決で取引分断と判断される可能性もありますから、事案に応じた考慮が必要となるでしょう。
もうひとつ、過払金請求訴訟において論点となるのは、消費者金融やカード会社が違法金利を受領する際、受領すべき金銭でないことを認識していたか(「悪意」といいます)という問題です。
被告が「悪意」である場合には、過払い金に利息を付して返還しなければなりません。この利息(年利5%)がなかなか無視できないもので、利息を付すか否かによって最終的な請求額に数十万円~百万円超の違いが出てくる場合もありますから、被告側の反論も激しいものになってきます。
最近では被告側から、悪意でないことを根拠付ける証拠と言いつつ、判例のコピーや週刊誌のコピーなど、意味があるのか分からないような資料が数百ページも出てくるようになっているため、一通り目を通すだけでも結構な時間を要する状態になっています。
このほか、執拗に期日の続行を求めてきたり、終結して判決待ちの案件について期日再開の申立をしてきたり、判決が出た件については控訴してきたりといった調子で、ともかく裁判の引き延ばし、膨大な証拠提出というスタイルが加速しつつあり、最近の過払い請求訴訟は、これまで以上の手間と時間を要するようになってきています。
裁判の終了
裁判の途中で、被告である消費者金融・カード会社と和解をする場合もあります。
ただ和解と言っても、特にリスクのある案件でなければ、当事務所では請求元金に利息を付したほぼ満額回収を条件とすることがほとんどです。
そんな条件であれば和解出来ないと言ってくる被告もいますが、その場合には、最終的には裁判所に判決を出してもらうことになります。
原告(こちら側)の請求認容判決が出れば、結局は実際の支払日まで利息を付した判決認容額の満額を被告から速やかに支払ってもらいます。
このように、裁判の中で状況に応じて方針検討しながら、和解または判決によって満額回収を目指していくのが当事務所における過払い金回収のおおまかな流れです。
当事務所の方針
過払い金を満額近くきちんと回収しようとした場合、現状このように手間と時間のかかる地道な作業が必要となってきています。
当事務所は、比較的少額の過払い金であっても、裁判の手間を惜しみません。
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