債務整理コラム・Q&A
自己破産・個人再生 NHK受信料の滞納がある場合
日本放送協会(NHK)の放送受信料は、基本的には支払時期より5年間が経過した分から順次、消滅時効にかかります。
「NHK受信料の滞納以外に、消費者金融やカード会社等からの大きな借り入れは無い」という方であれば、消滅時効を援用して直近5年より前に発生した受信料債権を消滅させた上で、直近5年間の滞納分について分割返済の交渉を行いつつ、これから発生する受信料は遅れないように支払っていくという方針になるでしょう。
ただ、NHKの受信料を長期間にわたり滞納されている方は、消費者金融からの借り入れや、クレジットカードの利用額も大きくなっていることがあります。
債務全体として考えて「これ以上の返済は難しい」と感じられている場合は、自己破産や個人再生によって債務全体の免責、または債務の大幅な減額を受け、生活を立て直すことを検討されてみてください。
弁護士が具体的な解決プランを丁寧にご説明します。
まずは「名古屋駅前 弁護士の無料法律相談」をお申し込みください。
NHK受信料の特徴は?
NHKの受信料は、適正な方法で解約を行わない限り、弁護士への依頼後も毎月発生し続けていきます。
弁護士へのご依頼によって解決できるのは「過去に発生したNHK受信料の滞納分」のみであり、今後発生していく受信料については、通常の方式で支払を再開していただく必要がありますから、この点はご注意ください。
自己破産による解決
NHK受信料の滞納以外にも、消費者金融やカード会社から多額の借り入れがある場合、自己破産により債務全額の免責を得るという解決方法を検討してみましょう。
破産申立を行い、無事に免責許可決定が確定すると、裁判所から「破産手続開始決定」が出された時点で発生していた放送受信料は、全額が免責の対象になります。
破産手続開始決定後に発生する受信料は免責の対象外ですから、免責確定後は受信料の支払を再開されるか、テレビを廃棄してNHK受信契約を解約されるかの検討が必要です。
個人再生による解決
「破産すると仕事に必要な資格を失ってしまう」「ローンのある自宅を残したい」といったご事情のある方は、個人再生による解決を検討してみてください。
NHK受信料の滞納があるケースでは、個人再生の申立を行う直前に消滅時効の援用を行い、直近5年間より前に発生していた受信料債権を消滅させます。
その上で、裁判所に提出する「再生計画案」には、直近5年間に発生した滞納受信料について、他の債権者と同じ免除率で減額された受信料を返済していく具体的な方法を記載します。
個人再生による債務の免除率は、多くのケースにおいて70%~80%程度になるため、以下のように、NHK受信料の残額は、かなり少なくなることが通常です。
<個人再生による減額モデル(一例)>
→【免除率80%】の場合は、約12,000円に減額
■地上契約+衛星契約の場合:5年分で11万円程度
→【免除率80%】の場合は、訳22,000円に減額
個人再生の弁済計画案は、減額された債務を原則3年(最大5年)で支払う形が原則ですが、こうした少額の債権が残るケースについては、例えば「減免後の総額が3万円以下となる債権については、初回返済時に一括での弁済を行う」という返済案を作成し、早期に返済先を減らしておく方向の返済計画を作成することも可能です。
実際には債務総額や他社の債権額との兼ね合いもあり、最終的には裁判所の判断になる部分ではありますが、当事務所ではNHK受信料の滞納について、こうした初回の一括弁済をご提案することが多いと思います。
再生手続開始決定後に発生する受信料が減額の対象外である点は、自己破産の場合と同様です。
消滅時効援用による解決
NHK放送受信料について、消滅時効援用のみのご相談・ご依頼も可能です。メールフォームまたはフリーダイヤルにて、ご希望をおっしゃってください。
裁判や支払督促を起こされた場合
NHK受信料の未払について「訴状や支払督促が裁判所から届いた」、あるいは既に「判決が出ている」といった方も、まずは無料法律相談にて、具体的なご事情をお聞かせください。弁護士が検討の上で、解決方針のご提案を差し上げます。
まずはご相談ください
NHK受信料のみを滞納されているのか、他にも借り入れがあるのか、ご事情は様々かと思います。弁護士が詳しいご事情をお聞きした上で、それぞれの解決方法のメリット・デメリットも含めて詳しいご説明を差し上げます。
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個人事業主の自己破産 事業を継続しながら破産できるか?
一般論として、個人事業者が事業を継続しながら自己破産することは難しいという事実があり、それが原則です。
ただ実際には、小規模の個人事業や、一人親方のような業態の個人事業については、事業を継続しながら破産手続を進め、免責許可を得ているケースは珍しくありません。
破産管財人や裁判所の考え方にも影響を受ける部分であるため事前の確約は難しいですが、何とか現在の事業を継続しつつ債務の免責を得られるよう、弁護士が解決のプランをご提案いたします。状況によっては、個人再生による解決も検討してみましょう。
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事業継続しながらの破産が難しいとされる一般的理由
個人事業者が自己破産する場合、原則的には同時廃止ではなく管財事件になり、地域の弁護士が破産管財人に就任して調査を進めていきます。
破産管財人の仕事は、破産したご本人が事業を継続できるように配慮する事ではなく、ご本人から少しでもお金を回収して、債権者に配当する事が大きな部分を占めています。
したがって破産管財人の業務方針は、ご本人の希望しない方向の展開になる場合があります。
まずは破産手続上の原則論をご紹介します。
取引先からの仕入れが困難となる
自己破産の準備に入った時点で、取引先への代金支払も全てストップする必要があるため、通常は商品の仕入ができなくなります。
銀行から融資を受けられなくなる
銀行からの融資についても返済を停止するため、追加融資を受けられなくなります。信用情報に滞納歴が登録されるため、別の銀行での新規融資も受けられません。
在庫商品が処分されてしまう場合がある
破産手続は、ご本人の財産をお金に換えて債権者に配当するという手続なので、在庫商品を含む業務上の財産は、破産管財人により回収・売却されることが原則です。
自動車や機械が処分されてしまう場合がある
在庫商品と同様、ご本人名義の自動車や機械は、破産管財人により回収・売却されることが原則です。
売掛金を破産管財人が回収してしまう場合がある
「売掛金」というと少し分かりにくいかも知れませんが「取引先に対する代金の請求権」とお考えください。
事業をされていると、取引先との間で毎回毎回代金を支払ってもらうのではなく、1ヶ月間の仕事の工賃や代金を、まとめて請求するような形も多いと思います。取引先から今後支払ってもらう予定の未回収代金は、ご本人の財産の一部ですから、破産管財人が回収して配当に回することが原則です。
事業のための契約が、破産管財人に解除される可能性がある
事業者の方が発注者から請け負っている仕事の契約等は、破産管財人が解除か続行かを判断します。もし契約を解除された場合、従来の業務を受注できないため、個人事業の続行は困難となります。
破産手続上の原則からは以上のような方針で破産手続が進行していくため、事業継続が困難となるケースが多くなるのです。
特に、「物を売り買いする業種」や「金融機関からの融資が必要な業種」については、事業を継続しながら自己破産する事が、実際問題として難しい方向になるケースが多いでしょう。
どのような個人事業であれば事業継続が可能か?
以下のようなタイプに該当する個人事業は、破産手続の影響を、さほど受けない場合があります。
■商品の売り買いで利益を上げる業態ではない
■金融機関からの借入は必要ない
■従業員を雇っていない
■自動車や仕事用の機械は無いか、あったとしても数十万円以下の価値
■売掛金は発生しない(即日払い)か、発生するとしても数十万円以下
具体例には、以下のような業種の方々です。(一例)
◆建設・工事関係など現場に出て自ら作業を行い報酬を得ている業態で、ローンの無い古い自動車(ハイエースなど)1台で全ての仕事をされている方
◆元請け会社の自動車を使用して配送業を営んでいる方
◆自宅でパソコン1台を使用してデザインや設計を行っている方
◆ウーバーイーツなど
こうした方々は、取引先への支払いが発生しない業態である事も多く、破産準備に入っても取引先との関係は特に悪化しないため、引き続き仕事を受注できる場合が多いです。
また、事業全体の規模がさほど大きくはなく、ご本人が所有している自動車・工具類・機械類・入金予定の売掛金などを、全て合計した額が自由財産拡張(99万円)の範囲内である場合、それらの財産はそのまま手元に残せる可能性も、それなりに高いです。
したがって、こうした業態の個人事業主に関しては、業務を継続しつつ自己破産することが可能になるケースがあるのです。
事業契約が破産管財人により解除される可能性について
ご本人が取引先と締結している請負契約等を残しておく事で、債権者の配当に充てられるべき財産を減少させる危険があるケースについて、破産管財人がその契約を解除する事は当然です。
一方、そうした危険が認められず、小規模事業者が毎月の利益を出して堅実に営業しているケースについてまで、破産管財人が積極的に契約解除を選択して事業を廃業させるといった展開は、あまり一般的ではないと思います。
破産管財人の判断による部分になりますが、破産管財人としても、目についた事業的な契約を必ず全て解除して回る訳ではないという事は知っておいてください。
自由財産拡張の注意点
個人事業主の方が自己破産する場合、原則的には管財事件となりますから、ご本人が生活していくために必要な財産を手元に残せるよう「自由財産拡張の申し立て」を裁判所に対して行います。自由財産拡張の上限は、原則的に「99万円」です。
ご本人の現金や預金残高、事業用の自動車、これから入金予定の売掛金など、ご本人の財産を全て合計した資産総額が99万円を超過している場合、超過分は原則的に手元には残せず、破産管財人へ差し出す必要があります。これを「破産財団への組み入れ」といいます。
・現金 10万円
・預金 10万円
・自動車(査定額) 70万円
・売掛金 60万円
→合計150万円となり、99万円を51万円超過している
このケースで破産管財人から破産財団への組み入れを指示された場合、ご本人は99万円を超過している額(51万円)を準備して、破産管財人の開設した口座に振り込まなければなりません。
破産財団への組み入れは、必ず一括払でという事ではなく、2~3か月程度の猶予が認められる事も多いです。借入による資金調達はもちろん不可ですから、今後の事業収益やご親族の援助など、何らかの方法で頑張って準備していただくことが必要です。
もし期間内に破産財団への組み入れを完納する見込みが立たなければ、破産管財人から「自動車を売却して51万円を調達してください」といった指示を受け、結果的に事業を継続できなくなる可能性があることは、注意が必要です。
また、自由財産の拡張は無条件に99万円まで認められる訳ではなく、その内容によっては99万円以内の売掛金や自動車等であっても、財団への組入を指示される可能性は残ります。破産管財人の考え方による部分となりますが、こうした展開となった場合も、組入の額によっては事業継続が困難になる場合があります。
事業継続の可能性を高める要素の一例
・リース契約や倉庫契約など、むやみに契約関係を増やさない
・資金繰りが悪化している中で、むやみに事業拡大をしない
・売掛金が高額になる業態にしない
・必須でない資産は処分し、弁護士費用や予納金に充てる
破産準備に入っても事業の赤字が出ているようでは、破産管財人から「今後も事業によって負債を負ってしまうのではないか」「そのような事業を継続する意味は無いのではないか」という判断になりかねませんから、経営の安定は必須といえます。
事業を拡大して業態を複雑化させることは、破産手続においてチェックを受ける項目を増やし、事業継続を実現する上でのリスクを高めると思います。破産する上では、小規模の事業者である方が望ましいです。
売掛金は財産としてカウントされるため、売掛金の増加は財団への組入額を増加させるリスクとなります。可能であれば、一時的にでも売掛金が発生しない状態にした上で破産申立を行う方が安全といえます。
資産総額が99万円を超過してしまう事が事前に予想されるケースでは、事業の継続に必須でない財産をあらかじめ売却して資金を調達し、弁護士費用や予納金を一括で支払っていただく事により、速やかに破産申立を行う方針をお勧めしています。弁護士費用や予納金は自己破産する上で必要な支出ですから、それによって財産総額が減少しても、裁判所に問題視される事はありません。
個人再生による事業続行
個人事業主の方も、「個人再生」によって債務の大幅な減額を得ることは可能です。一般的には自己破産の方が、債務全額の免責を受けられ、今後の返済を行う必要が無くなるため、将来的な事業リスクを軽減できる解決方法といえますが、個人再生は財産処分が行われないというメリットがありますから、案件によっては従来の事業を続行しながらの借金問題解決を、よりスムーズに実現できます。状況に応じて、適切な解決方法をご提案します。
ただ、それらの財産を全てお金に換算した資産総額以上の債務は必ず残るため,これを原則3年(最大5年)で分割弁済していく必要があります。
個人再生は「この分割返済を実行できるという返済能力を、裁判所に示せるか」という部分が最も重要です。
繰り返しになりますが、個人再生では一定の債務が残ります。元々の債務総額が大きいケースや、売掛金も含めた財産総額が大きいケースでは、思ったより債務が減らない場合があり、残った債務総額を最大60回の分割で返済しきれるか、という弁済能力の問題が生じる場合があります。
個人再生による解決に向いている個人事業
・毎月得ている営業利益の増減幅が小さい(収益が安定している)
・債務総額が数百万円程度にとどまる
・高額の売掛金が発生しない
・高額の事業用設備が無い
個人再生による解決に向いていない個人事業
・毎月得ている営業利益の増減幅が大きい(季節により変動が大きい等)
・債務総額が1000万円単位になっている(弁済総額を増加させる要因)
・高額の売掛金が発生する(弁済総額を増加させる要因)
・高額の事業用設備がある(弁済総額を増かさせる要因)
当事務所では、早い段階で弁済予定額の試算を行い、弁済予定額以上の金額を、弁護士費用の分割金として毎月お支払いいただくテストを行っていきます。事業を黒字で維持しつつ、この分割払を毎月きちんと実行できていれば個人再生による解決可能性も十分と判定可能ですが、どのような事情であれ「一部しか払えない」「今月の支払は無理」といった事態になると、個人再生はお勧めできないという結論になる場合もあります。
もちろん改善策のご提案も差し上げますが、具体的な状況によっては、ご依頼後に個人再生から自己破産への方針変更も可能です。
事業の具体的なご状況も踏まえつつ、ご本人のご希望に近い解決となるよう、柔軟に対応させてただきます。
名古屋地方裁判所では、個人事業主の方が個人再生をする場合、裁判所が「個人再生委員」を選任することが原則のため、弁護士費用とは別に、裁判所に納める予納金(20万円程度)を準備する必要があります。
まずは弁護士の無料相談を
破産手続では、破産管財人や裁判所の指示に従う必要があり、こちらの希望する方針が常に通る訳ではありませんが、ご自身が現在の個人事業を真面目に営んで黒字経営を維持しており「今の借金さえ無くなれば今後は大丈夫です」という姿勢を示す事ができれば、管財人や裁判所としても、可能な範囲で事業を続行する方向での検討を行ってもらえるものと当事務所は考えています。
個人事業は業態・規模も様々ですから、ケースバイケースの検討が必要となります。
より適切な進行となるよう、実際のご状況に応じて、より安全な進め方を弁護士からご提案します。
費用の分割払も柔軟に対応しております。
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自己破産を検討していたところ、親が亡くなった場合
・自己破産を弁護士に依頼して破産申立を準備中の方
こうした方のご両親が亡くなられた場合、「ご本人が相続した財産」の有無・内容は、自己破産の手続に大きく影響する場合があります。
特に、亡くなった方が不動産(土地・建物)を所有されていた場合は要注意です。
<不動産の遺産がある場合 自己破産への影響一例(※)>
・少額管財事件(予納金20万円)も認められず、通常管財事件になる可能性
・相続した不動産を、破産管財人が売却する事になる可能性
・親族がお金を出して、不動産を破産管財人から買い取る事になる可能性
・配当案件になると債権者集会が1回では終わらず、免責許可決定まで長期間かかる可能性
相続した財産によって、ご本人の借金を完済できるケースであれば、もちろん上記の問題は生じません。
一方、「相続した不動産の価値がさほど大きくない」「居住者がいるため不動産を売却できない」といったケースでは、場合によっては相続放棄を行うことにより、上記問題の発生を回避して破産手続をスムーズに進められる場合があります。
弁護士が具体的な進め方を丁寧に説明いたします。
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※名古屋地方裁判所での運用を前提とします。また実際の進行は案件内容により変わるため、確定的なものではなく可能性のある展開としてご紹介しています。
親が亡くなった時点の権利関係
ご本人の父または母が亡くなられた時点では、相続人の方々による遺産分割協議や相続登記等は、まだ行われていません。亡くなった方(被相続人)が不動産を所有されていた場合、この段階では、各相続人の方々が法定相続分にもとづいて不動産を共有している状態になります。
→父親名義の自宅(土地・建物)がある場合、弟(ご本人)は法定相続分(4分の1)に相当する土地・建物の共有持分を有していると考えます。
4分の1であっても「不動産の所有者」ですから、この点は注意してください。
自己破産をしたい本人が、不動産の所有者である場合、どうなるか
同時廃止で進められなくなる
不動産をお持ちの方が自己破産する場合、その不動産の価値にもよるものの、基本的には同時廃止ではなく管財事件になります。
破産手続の中で、破産管財人が不動産を売却してお金に替える業務を行う事になるため、こうした場合は管財事件といっても少額管財事件(予納金20万円)ではなく、通常管財事件(予納金40万円)を想定する必要があります。
少額管財事件でもなく、通常管財事件になる
ギャンブルや浪費、FXなどを原因とする債務増加があるため少額管財事件(予納金20万円)での破産申立を想定していたケースについても、不動産の所有者になった時点で、通常管財事件(予納金40万円)に切り替えて準備する必要があります。
不動産は自由財産になるか?
管財事件では、ご本人の財産を手元に残せるように「自由財産拡張の申立」を行います。自由財産拡張は、ご本人の生活維持のために必要といえる財産を対象としており、「現金」や「預金」「生命保険」「自動車」「退職金」等を想定しています。「不動産」は自由財産に含まれないと考えられており、自由財産拡張により不動産を残す事はできません。
不動産を残す方法は無いのか?
不動産は自由財産に該当しないため、破産管財人が売却してお金に換え、債権者への配当を行う方針が原則となります。
先の例のように、亡くなった父の不動産を母・兄・弟(ご本人)の3名で相続している場合、ご本人の有する不動産持分(4分の1)のみを不動産取引市場で売却することは現実的でないため、他の相続人である母または兄に、ご本人の不動産持分を適正な金額で買い取る方向で、破産管財人が交渉を行う事になるでしょう。お金で解決可能な話とも言えますが、ご親族に金銭的な負担を求める事になります。
なお、不動産の市場価値が非常に低く、ご本人の手元資金で支払い可能な金額である場合は、不動産の価値に相当するお金を破産管財人に差し入れることで、破産管財人がその不動産を「放棄」すると、結果的に不動産をお手元に残せる可能性はあります。
今から遺産分割協議を行ってよいか
相続人全員の同意が得られるのであれば、破産申立前に遺産分割協議を行い、相続登記を行う事は、法的には可能です。ただ、これから自己破産を予定しているご本人の財産を「他の相続人に逃がす」ような遺産分割を行うことは、その後の破産手続において問題視される可能性があり、お勧めできません。
後述する通り、相続放棄により解決する方が安全・確実です。
個人再生による解決
個人再生は、財産の売却を伴わない手続なので、不動産をお持ちの方であっても選択可能です。ただし、個人再生は「ご本人の有する財産の総額」よりも多い額を返済しなければならないというルールがあります。
仮に、ご本人の有する不動産持分の市場価値が300万円である場合、個人再生をしても最低300万円の債務が残ります。自動車や退職金など他の財産をお持ちの場合、それらも上乗せされて最低弁済額が上がっていきますから、「個人再生をしたものの、さほど債務が減らない・全く減らない」という状態になっていきます。
不動産の価値がさほど高くないケースや、ご本人の法定相続分割合が低いケースであれば、個人再生による解決が有効な解決方法となる場合もあるでしょう。
相続放棄による解決
自己破産の準備中である方が「相続放棄」を行う事は、遺産分割協議とは異なり、破産手続に悪影響を及ぼす事はありません。
相続放棄は、結婚や養子縁組と同様の「身分行為」という法的行為であり、相続放棄するかどうかは他人に指図されず、自ら決めてよいとされているためです。
相続放棄をすると、その方は「最初から相続人ではなかった」事になり、亡くなった方から何も相続していない前提で自己破産や個人再生の手続を進める事ができます。
当事務所では相続放棄の申述業務も取り扱っていますから、自己破産のご依頼とは別件としてご依頼をいただければ、ただちに相続放棄の準備を開始します。相続放棄の必要書類である戸籍等も弁護士が代理取得できますから、全てお任せいただけます。
相続放棄の申述は、相続が開始した事を知ってから3か月以内に行う必要がありますから、この期限だけは忘れないようにしてください。葬儀が終わられて少し落ち着いた頃には、当事務所までお知らせいただきたいです。
補足:相続放棄を回避できないか?
相続放棄をすると遺産を全く相続できませんから、ご本人としては少し釈然としない部分もあると思います。
しかしながら、ご本人が「これから自己破産する」という予定が動かないのであれば、一定の市場価値がある不動産を無条件に残す方法はありません。
前述のとおり「お金で解決する方法」はありますが、不動産の市場価値によっては、かなりの金銭負担をご親族にお願いする事になってしまう可能性もあり、どのような展開になるかを事前に予測しきれません。
ご本人が相続放棄の申述を行った場合、先の例でいえば無条件に母と兄が遺産の相続人となり、管財人への金銭支払は不要です。後で母と兄の間で遺産分割協議を行い、仮に「母が全て相続する」という遺産分割協議を行った上で相続登記をしておけば、ご本人の破産手続が無事終わった後で母親が亡くなった際の相続では、兄と弟(ご本人)が再び相続人になります。
もちろん、常にこのような都合のよい展開にはならないかもしれませんが、総合的に判断すれば、相続放棄を行っておく事が最善の選択肢となるケースは多いと思います。
補足:遺産が現金・預金のみであるケース
亡くなった方が不動産の所有者ではなく、残された遺産が現金・預金のみのケースであれば、他に理由がない限り通常管財事件(予納金40万円)にはならず、少額管財事件(予納金20万円)や同時廃止の方向になるでしょう。
通常管財事件の予納金が高額であるのは、破産管財人が不動産を売却してお金に換える業務の手間賃を考慮しているためですから、換価業務が必要ないケースは、通常は少額管財事件になります。
相続した現金・預金が少額で、トータルで見てご本人の同時廃止基準をクリアしていれば、同時廃止が認められる場合もあるでしょう。
弁護士が無料相談にて詳しくご説明します
自己破産の準備中に相続が起こってしまうと、以上のような問題が生じる可能性があります。特に、高齢のご両親が不動産を所有されているケースについては、速やかな申立準備をお勧めしております。
ご本人の相続問題が、自己破産や個人再生の手続に悪い方向での影響を与えないよう、注意しつつ業務を進めてまいります。
詳細は弁護士から丁寧にご説明を差し上げます。
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ロマンス詐欺・出会い系SNS型投資詐欺で自己破産する場合
<ロマンス詐欺・出会い系SNS型投資詐欺の一般的な経緯>
- マッチングアプリや出会い系SNSで知り合った相手と、ネット上で会話しているうちに相手へ恋愛感情を持つようになる
- 「相手と実際に会いたい」「結婚したい」といった気持ちが高まり、相手の「あなたに会いに行く資金が必要」「二人の将来のためにFX投資で試算を増やすべき」といった提案を信じてしまう
- 相手の望む方式で多額の送金を行うが、しばらくして相手と一切の連絡が取れなくなる
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こうした詐欺類型は「ロマンス詐欺」と言われており、警察庁のHPでも注意喚起が行われています。
ご本人様としても、冷静になった今になって考えれば「どうして信じてしまったのか」というお気持ちかと思いますが、すでに起こった事は変えられません。
ご自身の預金や現金だけでは相手の要求に応えられず、借り入れをしてまで相手に送金してしまったケースでは、相手と連絡が取れなくなった後には借金だけが残ります。
現実的に考えて「相手からの資金回収が難しく、残った借金の返済が苦しい」という事であれば、自己破産や個人再生による解決を検討してみてください。
弁護士が具体的な解決方針について、詳しいご説明を差し上げます。
まずは「名古屋駅前 弁護士の無料相談」をお申し込みください。
免責上の問題はあるか
ロマンス詐欺に遭ったご本人は、相手との結婚や交際を本気で考えていたのですから、同情すべき被害者という側面もあると思います。
ただ一方で「ご自身の返済能力を超えた多額の借り入れを行って返済不能となった」という行動に浪費的な側面があることは否定できず、また「FX投資で資産を増やしましょう」といった誘い文句に乗ってしまったケースでは、自らの意思で、ギャンブル的な目的での借り入れを行ったという側面があるとも言えます。
資金調達の方法についても、例えば詐欺的な借り入れや、クレジットカードでアマゾンギフト等を買って現金化する行為(カードのショッピング枠を現金化する行為)等があると、破産手続において問題視される場合があります。
これらの行動は、その経緯や規模によっては免責判断に影響する可能性もありますが、当事務所では、浪費やギャンブル、現金化行為等があるケースの自己破産も多数取り扱っておりますので、あまり心配されずに、まずは今回の被害経緯を無料相談にて詳しくお話しください。
騙し取られたお金の回収可能性について
破産手続上、「騙し取られたお金を回収可能なのか」という点は一応問題となります。
破産手続では「誰かから回収可能なお金があれば、きちんと回収して債権者への配当に充てるべき」という考え方をするためです。
一般論として、「誰かから回収可能なお金」がある状態で破産申立を行うと通常管財事件になり、裁判所に40万円の予納金を納めなければなりません。
ただ、ロマンス詐欺は個人間のお金の貸し借りではなく、組織的な犯罪行為として行われている事が多いと思いますから、相手がどこの誰なのかも正確には分かっておらず、実際問題として回収は困難なケースも多いと思います。
したがって破産申立を行う上では、今回の件が典型的なロマンス詐欺であることを裁判所に理解してもらえれば、基本的には「回収可能性は無い」という方向になり易く、もし管財事件を想定する場合でも、少額管財事件(予納金20万円)を想定しておけばよいかと思います。
マッチングアプリやSNSで相手と親しく会話していた頃の履歴や、お金の送金を要求されているメールなどのデータは、裁判所に提出をしますから消さずに残しておいてください。
まずは無料相談を
詐欺被害に遭ってショックを受けられていると思いますが、借金問題は状況が悪化する前に解決しておくことをお勧めします。
早い段階で弁護士の説明を受けていただき、解決のための選択肢や、正しい知識を得て下さい。
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住所を隠したまま自己破産して免責を得る制度(秘匿決定申立)
DVや犯罪被害等の事情により、「お金を借りた相手に住所を知られたくない」という方もいらっしゃいます。
このような場合に検討すべき選択肢として、現住所を知られずに破産して免責許可を得ることができる「秘匿決定申立」という制度があります。官報にも現住所は載りません。
「秘匿決定申立」は例外的な措置であるため、この制度を用いた破産申立をお引き受けできるかどうかは、詳しいご事情を無料相談にてお聞きした上で、弁護士が個別に判断させていただきます。
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現住所の開示は大原則です
破産手続は、ご本人の住所地を明らかにして進める必要があります。
住民登録地と、実際に住んでいる場所(居所(きょしょ)といいます)が異なる場合は、居所も公開対象です。
この原則により、ご本人様の現住所・居所は、裁判所から出される「破産手続開始決定」に記載され、全ての借入先(債権者)に郵送されるほか、官報(政府が発行している新聞のようなもの)にも掲載されます。
官報を日常的にチェックしている人は少数派かと思いますが、少なくとも「借りたお金を返せなかった相手」には必ず、ご本人様の住所・居所は知られてしまうのです。
※【ご注意】こうした事態を回避するため、意図的に借入先の一部を申告しない(借入先を隠す)行動は、破産手続における重大なルール違反になりますので十分にご注意ください。
例外的な住所・居所の秘匿措置
この原則を全ての件について適用してしまうと、例えばですが「DV被害を受けた元配偶者に対して、借りたお金の未払がある」といったケースについても、ご本人様の現住所をDV加害者へ通知する事になってしまいます。
こうした弊害を回避するため、原則通り現住所・居所を公開したまま破産手続を進めた場合に、ご本人が社会生活を営むのに著しい支障を生ずるおそれがあると判断されるケースについては、例外的に住所・居所を秘匿して進めるという対応が行われます。
これは管轄の裁判所に、自己破産申立の関連事件として「秘匿決定申立」を行う方式により申請します。
裁判所から秘匿決定が出されると、「破産手続開始決定」や官報公告には「代替住所」という、ご本人の実際の住所・居所ではない別の場所が記載されます。
借りた相手(債権者)に対しても、「代替住所」が記載された「破産手続開始決定」が郵送されますから、現住所・居所を知られる事は無いという事になります。
住所秘匿の適用要件について
秘匿決定は、原則的なルールを曲げて、例外的に住所等を隠したままで破産・免責の手続を進めるという制度ですから、秘匿決定申立が認められるためのハードルは相当に高いと考えてください。
現住所・居所を公開されることで、ご本人が社会生活を営むのに著しい支障を生ずるおそれが必要です。
例えばですが、個人的な金銭の貸し借りで暴行・傷害等を伴うトラブルがあり刑事事件化しているようなケースであれば、借りた側の現住所を秘匿する必要性があると判断される場合もあると思います。
あるいは、DVやストーカー等の被害により、ご本人の住民票等を相手が取得できないよう対応する措置(DV等支援措置)が既に取られている方であれば、現住所を秘匿する必要性を別の公的機関が認めている訳ですから、破産手続上の住所秘匿を判断する上での考慮事情にもなると思います。
ご注意点
・秘匿決定は例外的な対応であるため、秘匿が相当な案件であると、当事務所が判断した場合に限りお引き受けしています。
・秘匿決定を出すかどうかの判定は裁判所が行うため、事前に住所等の秘匿を確約する事はできません。
・弁護士費用は、HPに記載しております一般的な自己破産の金額とは異なります。申立前の事務的な作業量が非常に多くなる手続であるため、ご了承ください。具体的な金額は、無料相談の際にお伝えしております。事前に一般的な金額をお知りになりたいという方は、お電話にてお問い合わせください。
まずはご相談ください
秘匿決定申立により、現住所を明かせない事情がおありの方でも、自己破産して免責許可を得ることで、借金の問題を解決できる可能性があります。
スムーズな進行となるよう、あらかじめ管轄の裁判所にも相談しつつ進めていきます。
ご不安もあるかと思いますが、まずは現在のご状況や、これまでの経緯について詳しくお話しください。弁護士が解決に向けた方針をご提案します。
まずは「名古屋駅前 弁護士の無料相談」をお申し込みください。
自己破産を依頼後、転勤・引越になった場合はどうなるか
自己破産をご依頼後、破産申立までの準備期間中や、破産申立から免責許可が出るまでの期間中に、お引越しや転勤をされるケースがあります。
当事務所では、ご依頼後に東京・大阪・九州などの遠方へ転居された方も複数いらっしゃいますが、全て無事に解決しております。最初に相談した弁護士が最後まで対応しますから、弁護士を探しなおす必要はありません。
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【申立前】に転居した場合の注意点(管財事件の場合)
自己破産の申立は、「ご本人様が実際に居住されている場所」を管轄する裁判所へ行う形が原則です。
したがって弁護士に自己破産をご依頼後、「申立の準備期間中」に転居をされた場合は、転居先の地域で申立を行う事になります。
例えば名古屋在住の方が、当事務所に自己破産(管財事件)を依頼され、弁護士費用を積み立てている間に大阪市へ転居された場合、破産申立は大阪地方裁判所へ行います。
こうしたケースで「担当弁護士が現地の裁判所に出向く必要」が生じた場合は、当事務所の弁護士が、名古屋から現地まで出張します。具体的には、裁判所で行われる債権者集会です。
債権者集会には、ご本人様の出席が必要であり、代理人弁護士も同席する事が通常であるため、最低1回は弁護士の現地出張が必要になるとお考えください。
出張の際は、弁護士が名古屋と現地を往復する交通費(新幹線代等)が必要です。また、具体的な移動距離に応じて、弁護士日当が発生する場合があります。
【申立後】に転居した場合の注意点(管財事件の場合)
自己破産の申立を行い、案件が裁判所で係属した状態になると、ご本人様が転居しても案件は移転せず、そのまま手続が進んでいきます。
例えば名古屋在住の方が、名古屋地方裁判所で破産申立(管財事件)を行った後で東京都に転居した場合、自己破産の債権者集会は、名古屋地方裁判所で行われます。
債権者集会には、ご本人様の出席が必要ですから、上記のケースであれば債権者集会の当日は、ご本人様が転居先から名古屋地方裁判所まで出向いていただく事になります。
この場合の交通費等は、ご本人様の負担となります。
裁判所に呼ばれない場合
名古屋地方裁判所では「同時廃止」の場合、ご本人様または弁護士は一度も裁判所へ呼ばれず、書面提出のみで免責許可決定まで全て終わります。
したがって名古屋地方裁判所で破産申立を行ったケースで同時廃止の場合、あるいは転居先の裁判所に破産申立を行ったケースで現地裁判所の運用が名古屋と同様の場合は、ご本人様や弁護士が裁判所へ出向く事にはならず、交通費等の支出も発生しません。
これから愛知県にいらっしゃる予定の方
当事務所では、名古屋近隣へのお引越が既に決定されている方については、現時点で遠方にお住まいの方であっても、電話やメールにて無料相談をご予約可能です。
無料相談は弁護士との面談形式になるため、実際に愛知県にいらっしゃる日以降で予約を取っていただく形となります。
個人再生の場合は?
転勤によって居住地が変わったとしても、勤務先は同一で、年収も維持されているケースであれば、個人再生による解決も十分検討の余地があります。
転勤ではなく「転職」をともなう転居の場合にはハードルが上がってきますが、まずはご相談ください。
なお名古屋地方裁判所の個人再生手続では、ご本人様や弁護士が裁判所に呼ばれることは通常ありません。遠方に転勤される場合は、現地裁判所の運用を確認する必要があるでしょう。
まずはご相談ください。
遠方へ転居される事になった場合、当事務所の依頼を解約し、転居先で再び弁護士を探していただく形でも構いませんが、当事務所では、ほとんどの方が業務続行を希望されています。
詳細は面談相談にて、十分な時間を確保してご説明します。
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自己破産・個人再生で「退職金の金額」を、勤務先に相談しづらい方
「【退職金の受け取り予定額】を確認する必要があると言われても、勤務先には相談しづらい」
自己破産・個人再生の法律相談を実施する際、このようにおっしゃる方が多いです。
「退職金」も、ご本人様の財産の一つですから、自己破産や個人再生の申立を行う際には、その金額を財産目録に計上して、裁判所に正しく申告する必要があります。
とはいえ、実際には退職する意思も予定もないのに「いま退職したら、退職金は何円ですか」と勤務先に問い合わせる事は、なかなかハードルが高いと思います。
当事務所では以下のように可能な限り、ご勤務先に問い合わせずに済むよう準備を進めます。あまり心配されず、まずは無料法律相談にて、退職金について必要な資料の知識を得てください。
公務員の方
退職金の計算方法は公にされていますから、ご本人様の職務上の等級などを確認の上で、当事務所にて退職金予定額を計算して裁判所に提出しています。この場合、勤務先の発行する証明書類が無くても基本的に大丈夫です。
企業にお勤めの方
社内で公開されている退職金規程や就業規則に、退職金の計算方法が記載されており、客観的に計算可能な場合が多いです。この場合も当事務所にて退職金計算を行いますから、勤務先の発行する証明書類が無くても基本的に大丈夫です。
退職金の計算方法が公開されていない会社であっても、ご自身の企業内マイページにて、退職金予定額を確認可能な場合や、年に1~2回、その時点での職金額が通知されている事がありますから、こうした資料でも代用可能です。
可能な限り、ご勤務先に問い合わせなくて済むように進めます。
パート・アルバイトの方
一般的には退職金は支給されない事が多いですから、退職金関係の資料は、さほど厳密には要求されていません。ご本人様からの聴取や、ハローワーク等に公開されているご勤務先の求人内容を資料として提出すれば足りる場合もあります。
小規模の企業にお勤めの方
この立場の方が一番、退職金資料を確保することが難しいです。退職金の計算方法が公開されていない事も多いため、案件に応じて対策を検討する必要があります。
「退職金制度が無い」場合、雇用契約書や労働条件通知書に「退職金 無」と明記されているのであれば、その書面を提出すれば足ります。
また「勤続期間が短い方」の場合、一般論として多額の退職金が発生しているとは考えづらいため、さほど厳密な資料は求められない傾向があると思います。
一方、ある程度の長い勤続期間があり、退職金が発生している可能性があるケースについては何も資料を出さずに進めることは難しい場合があります。当事務所で過去に取り扱ってきた事例の中で、比較的スムーズに退職金関係の書面を確保できた事例などを参考に、具体的な進め方をご相談させていただきます。
まずは無料相談を
退職金は自由財産拡張の申立範囲にも影響することがあり、ケースバイケースの対応が必要です。退職金予定額の厳密な算出が必要になるケースについては、最初の無料法律相談にて詳しいご説明を差し上げます。
まずは「名古屋駅前 弁護士の無料法律相談」をお申込みください。
自己破産すると、20万円以上の財産は残せない?
自己破産する場合に「20万円以上の財産は残せないのでは?」という心配をされている方が時々いらっしゃいます。
ネット上にはそうした記載も確かに見られますが、愛知県内つまり名古屋地方裁判所では、基本的にそのような事はありません。
例外的な事例まで含めていくと、かえって実務上の運用から離れたご説明になってしまいますから、名古屋地方裁判所(愛知県内)において、多くのケースに該当する実務運用をご案内します。
20万円を超える財産の扱い
■生命保険やローンのない自動車は、その価値が20万円を超えたとしても、お手元に残せるケースが多いです。(多くの場合、自由財産拡張の処理で解決されます。ローンの無い自動車の場合、裁判所側の基準により、そもそも無価値と判定されて不問となるケースも多いです。)
■「預金残高」が20万円を超えている場合でも、超過分が全て没収されるような事は通常ありません。
■生活の維持に必須でない財産(例:高価な時計、株式、ゲーム機など)は、残せない方向になりますが、適正な金額を裁判所に納付することで残せる場合もあります。
破産手続上、20万円という数字が出てくる場面とは
自己破産の手続において「20万円の財産」という用語は確かに登場しますが、これは主に「同時廃止か、管財事件か」を分ける際の基準として用いられています。
例えば、「20万円以上の解約返戻金(かいやくへんれいきん)が発生している生命保険」を契約中の方の場合、管財事件にはなってしまいますが、だからといって「必ず保険を解約しなければならない」という事ではありません。
同様に、「20万円以上で売れるローンの無い自動車」をお持ちの場合も、管財事件にはなりますが、「常に自動車を手放さなければならない」という事ではありません。
もちろん「管財事件」になる場合、裁判所に納める20万円程度の「予納金」を準備する必要は生じますが、今後の人生設計や日常生活のために必要な財産そのもの(保険・自動車・パソコン等)まで、何でも全て裁判所に没収される訳ではありませんから、その点をあまり心配されないでください。
(ご事情により、一定のリスクが想定されるケースについては、最初の無料法律相談にて弁護士からお知らせします。)
生活の維持に必要でない高価な財産
なお、管財事件の場合に財産を残してよいかどうかは「生活の維持に必要かどうか」という観点から判断されるため、「無くなったとしても生活の維持に影響しないと判断される財産」例えば、高価な時計、株式、仮想通貨などは、お手元に残せない場合がありますから注意してください。
とはいえ、その売却予定額を、自らの財産から裁判所に納めることで、お手元に残すことが認められるケースもあります。ご希望に沿った解決となるよう,努力させていただきます。
自己破産する場合の20万円を超える財産 まとめ
自己破産の手続は、地域ごとに運用の違いがあります。
ネットで調べた情報は、あなたの地域の裁判所運用と一致していない場合がありますから、地元の運用を熟知している地元の弁護士に相談されることが最善です。
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自己破産 裁量免責を得るための積立(免責積立)
自己破産の手続が管財事件として開始した後、破産管財人からの打診を受けて、金銭の積立を実施する場合があります。
いわゆる「裁量免責のための積立」、あるいは「免責積立」と呼ばれているものです。
激しい浪費やギャンブルなど、本来であれば「免責不許可」も検討せざるを得ないケースについて、破産管財人から、この積立を提案される場合があります。事前に取り決めた金額の積立を一定期間きちんと行うことで、「裁量免責」の可否を判断する際、有利な事情として考慮されるというものです。
比較的レアケースですが、名古屋地方裁判所の管轄では現在も存在している運用ですから、今回ご紹介します。
免責積立の目的は?
「免責積立」という制度が法律でルール化されている訳ではなく、現状のままでは免責を認めがたい問題があるケースについても、何とか裁量免責を認めていく余地を残すための実務運用として行われている手法です。
基本的には、以下のような観点から実施されるものと考えています。
①:「不当に流出した財産」に相当する金額を事実上回収して配当を行うことで、債権
者の損害を少しでも補填する機会とする
②:毎月の積立をご本人に継続してもらうことで、生活の再建を真面目に行っているこ
とのテストとする
③:ギャンブルなどの浪費的行動について、ご本人の反省を促す機会とする
債権者への配当(①)を実施する形が理想的ですが、実際には積立金が配当を実施可能な金額に満たず、配当を行わないまま裁量免責となるケースもみられます。
免責積立の打診を拒否できるか?
この積立は、破産した方ご本人の同意に基づいて実施されるものです。ただ、裁量免責の判断に大きく影響する部分ですから、積立を拒否するという選択肢は、現実的ではないでしょう。
もちろん、前提となる事実関係について破産管財人や裁判所に誤解がある場合は、弁護士から説明や反論を行いますが、積立の実施という結論部分は、基本的に変わらないと思っていただく方がよいと思います。
免責積立の原資は?
免責積立は、「破産手続開始決定」が出た後、お給料から積み立てていく形が基本です。
以下例のとおり、破産手続の原則ルールでは「破産手続開始決定が出された日」以後に取得した財産(いわゆる新得財産)は裁判所に没収されませんが、免責積立は事実上、この例外という事になります。
破産の原則ルール モデルケース1
※自由財産の拡張が上限額(99万円)まで認められることを前提とします。
「破産手続開始決定が出た日」時点の財産総額が119万円の場合
→99万円までしか手元に残せないため、超過している20万円は、破産管財人の管理する破産財団へ差し出すことになります。
破産の原則ルール モデルケース2
※自由財産の拡張が上限額(99万円)まで認められることを前提とします。
「破産手続開始決定が出た日」時点の財産総額が89万円あり、その数日後に給料30万円が入った場合
→給料30万円が入った時点で、財産総額が合計119万円になっています。しかし破産手続開始決定日の財産総額は89万円ですから、自由財産99万円の範囲内です。
また給料30万円は「破産手続開始決定の後に得た財産」(新得財産)です。
この場合、給料を含めた手元資産を破産財団に差し出す必要はありません。
免責積立が行われる場合
「破産手続開始決定が出た日」の数日後に給料30万円が入った場合
→この給料30万円は新得財産ですが、免責積立を行う場合,この給料から事前に取り決めた金額(例:毎月3万円)を、破産管財人名義の銀行口座に一定期間、振り込みます。
このように「免積積立」が行われる場合、弁護士費用や予納金を準備した上で、さらに追加の金銭的負担が生じる事となります。ご本人様としては予想外の支出となり、しばらく苦しい生活になるかもしれません。
しかし「免責積立」の打診があるケースは例外なく、相当に激しいギャンブルや浪費などの問題行動があったはずです。裁量免責を得るための有利な実績となる積立ですから、ここは頑張っていただく所です。
免責積立を行う期間
免責積立を行うことになる期間は、案件にもよりますが、短くて2~3か月、長くて5~6か月程度が多いと思います。
この期間中、一定額の積み立てを毎月実施しつつ、家計簿を破産管財人に提出して、家計収支のチェックを受ける形が基本となります。
免責不許可の可能性があるケースについて、破産管財人による生活内容の監督を受けている期間となりますから、浪費的な支出、使途不明な支出などが発生しないように十分注意して生活する必要あります。
免責積立を完了した場合
「免責積立を行った上で、それでも免責不許可となってしまった」というケースは、当事務所では過去1件も確認されていません。
激しいギャンブルや浪費を行ってしまい、裁判所から「免責不許可」まで検討されてしまうケースであっても、裁判所や破産管財人の指示にきちんと対応していくことで裁量免責を得ることが十分可能であることは、こうした点からもお分かりいただけると思います。
まずは無料法律相談を
「免責積立を行うべきケースか」の判断は,裁判所や破産管財人により行われますから、事前にその有無や内容を確実に予測することはできません。ただ一般論として、浪費やギャンブルの程度が激しくなるほど、問題のある案件として、免責積立を指示される可能性は高まってくるでしょう。
あまり状況が悪化してしまわないうちに、弁護士の無料相談を受け、解決に向けた正確な知識を得ていただきたいと考えております。
まずは「名古屋駅前 弁護士の無料法律相談」をお申込みください。
個人再生 関係資料を事前にご用意いただく必要性について
当事務所では、以下3点に該当する方への法律相談を実施する場合、可能な限り事前に「返済予定額の試算に必要な資料」をご準備いただいています。
◇ローン中の「住宅」をお持ちの方
◇債務総額の半分に近い、大口の債権者がいる方
◇ローン中の「自動車」をお持ちの方
ご本人様としては「一刻も早く、法律相談を受けたい」というお気持ちであることは、十分承知しています。
また、事前に資料の準備をすることが、面倒に感じられるかもしれません。
しかし当事務所としては、この3点に該当するケースについて、具体的な資料を確認しないまま法律相談を行うことは、後になってから方針の修正が必要となる可能性が残り、不正確なご説明となってしまう危険があると考えています。
実際のところ、相談者様が資料を提出しないまま「他の法律事務所で受けてきた一般的な説明」と、「当事務所で、関係資料を検討してから実施したご説明」の結果が異なる(あるいは、他の事務所では説明自体を受けていない)というケースが時々発生しています。
・ご自宅の不動産がオーバーローンか否か
・ローン中の自動車が引き上げになるか否か
・給与所得者等再生を選択した場合、いくら返済することになるか
こういった、かなり根本的な部分のご説明が変わってくることになります。
ご本人様としては「どちらの言っていることが正しいのか」と混乱されてしまうと思いますが、当事務所で正式にお引き受けしたケースに関しては、もちろん当事務所から事前にご説明を差し上げた見通しの通りに進み、無事解決しております。
当事務所としては、多少の時間と手間を要することになりますが、個別のケースに即した、正確な法律相談を実施したいと考えています。
特に「ローン中の自宅を残したい」というご希望の方は、かなり不安や焦りを感じていらっしゃる事が多いですが、重要な局面であるからこそ「正確な知識・見通しを得た上で判断する」という点を、重視していただきたいと当事務所では考えています。
可能な限り早期の相談予約を調整し、全力でお手伝いをさせていただきます。
まずは一日も早く、「名古屋駅前 弁護士の無料法律相談」をお申込みください。
NP後払い・メルペイスマート払い・d払いなどの「後払いサービス」にご注意!
近年、自己破産や個人再生を検討中の方について、以下のような後払いサービスの利用が増えています。
こうした後払いサービスは利用開始時の信用調査(与信調査)が無く、多重債務の末期状態でも利用ができてしまいます。
特に「自己破産を検討されている方」については、3社も4社も後払いサービスをハシゴされている方が珍しくありませんが、こうした行動は一時しのぎで何の解決にもならないばかりか、破産手続を無用に複雑化させてしまいます。
後払いサービスを利用した「換金行為・現金化行為」を常習的に行ってしまう方も多く、同時廃止が認められにくくなってしまう(管財事件となる可能性が高まる)リスクがあるほか、免責判断のスムーズな進行にも影響を及ぼす場合があります。
一般的なカード会社や消費者金融から借り入れができない状態となり、複数の「後払いサービス」に申し込もうとしている方は、もはや多重債務の末期状態です。一刻も早く、弁護士の法律相談を受けていただくことをお勧めします。
今回は、後払いサービスを乱用することのリスクをご紹介します。
現金化行為を行ってしまいがち
「後払いサービス」はネットショッピングの決済手段として用いられる形が多く、家電などを転売して現金を得る「現金化行為」の温床になりがちです。
名古屋地方裁判所は従来より、「クレジットカードのショッピング枠を現金化する行為」については厳しい態度です。比較的少額の現金化行為でも、同時廃止が認められずに管財事件へ移行するケースが確認されています。
「後払いサービス」を現金化の手段として用いる行為も、クレジットカードのショッピング枠を現金化する行為と実態は何ら変わりませんから、同時廃止が認められにくくなったり、免責不許可となるリスクを高めてしまう行動です。
「後払いサービス」を利用した現金化の方法を指南するサイトも存在するようですが、そのような情報を真に受けて、軽率な行動をされないようご注意いただきたいです。
利用のハードルが低く、なかなか止められない
「後払いサービス」には信用調査も無く、サービス提供会社も多いため、かなりハードルの低い資金調達方法です。
次から次へと利用申込をしていく行動が日常化してしまい、返済できない会社が増えてしまいがちです。弁護士に破産を依頼する直前まで、現金化行為を続けているケースも珍しくありません。
こうした行動が増えるほど、裁判所としては「もう返済できない事が分かっていながら常習的に利用していたのではないか?」「今後も、このような無計画な借り入れを続けてしまうのではないか?」といった疑念を、より強く持つと思います。
結果、破産管財人による生活指導や家計収支のチェックが、より厳しく実施されることになってしまいます。
また「後払いサービス」は信用調査を経ずに利用できるという性質上、弁護士に依頼した後でも利用を止められない方や,隠れて新規の申込をしてしまう方までいらっしゃいます。
当然ながら、これらは更に問題のある行動と判断されます。
免責調査型管財事件の債権者集会は基本的に1回で終わりますが,引き続き生活監督が必要と判断された場合には続行期日が設定され、解決が何か月も延長されてしまうケースもあります。
「後払いサービス」を始めてしまうと、このようにズルズルと状況が悪化してしまいがちですから、既に他社での借り入れがある方は、特に注意していただきたいです。
d払い・auかんたん決済・ソフトバンクまとめて払いなどの、携帯電話キャリア決済
携帯電話のキャリアが提供する「キャリア決済」は、その利用額が通信料と合算して請求されるため、請求額全体が「通信費」であるかのように思われている方もいらっしゃいます。
しかし、キャリア決済の実態は「後払いサービス」であり、翌月までの支払期限で借金をしている事と何ら変わりません。通信料と合算されて引き落とされるため、一部の債権者に対してだけ優先的な支払を行うこととなる点も、破産や再生の手続では問題となります。
したがいまして破産・再生のご依頼時には、キャリア決済を利用しない生活スタイルに切り替えていただくようお願いしております。
後払いサービスの乱用前に、まずは弁護士の無料相談を
繰り返しになりますが、複数の「後払いサービス」に手を出し、その場だけをしのいでいても、何の解決にもなりません。ご本人様としても、その事は理解されていると思います。
一刻も早く、解決に向けた具体的なプランを立てましょう。
まずは「名古屋駅前 弁護士の無料法律相談」をお申込みください。
個人再生(住宅資金特別条項つき)の再生計画が確定しました
名古屋地方裁判所にて、小規模個人再生(住宅資金特別条項つき)の再生計画認可決定が出ていた件について、約1か月が経過しまして再生計画が確定となりました。
今回も、予定通り住宅ローン以外の債務について、約80%の免除を受けられています。
ご自宅の住宅ローンを返済中の方は、ある程度の継続的なご収入を有している方が多いですから、返済資金のやり繰りをギリギリまで頑張ってしまった結果、債務総額が非常に大きくなってしまうことが珍しくありません。
住宅ローンと別に、カードローンや消費者金融からの借入合計が1000万円、1500万円といった規模になっていると、絶望的な気持ちになってしまうかも知れません。
しかしながら、個人再生という解決方法によって、ご自宅は今後も残しつつ、「住宅ローン以外の債務」について、数百万円~1000万円以上の免除を受けることも可能です。
実際にあった事例を元にしたモデル(1)
※実際の減免率は、ご事情によって異なります。
◆個人再生【前】
・住宅ローン:2,000万円
・住宅ローン以外:1600万円
↓
◆個人再生完了【後】
・住宅ローン:2000万円( 変わらず )
・住宅ローン以外:300万円( 1300万円が免除 )
実際にあった事例を元にしたモデル(2)
※実際の減免率は、ご事情によって異なります。
◆個人再生【前】
・住宅ローン:2,000万円
・住宅ローン以外:1300万円
↓
◆個人再生完了【後】
・住宅ローン:2000万円( 変わらず )
・住宅ローン以外:260万円( 1040万円が免除 )
免除額の見通しも,無料相談にてご説明します
「個人再生」は債務全額の免除を受けられる訳ではなく、債務の一部について免除を受け、残った債務を分割で返済していくという制度ですから、債務が全て無くなるという訳ではありません。
とはいえ一般的には「債務の総額が増えるほど、免除額も増える」という傾向がありますから、住宅をお持ちの方が借り入れをしすぎてしまったケースにおいては、非常に強力かつ有効な生活再建の方法です。
実際には案件ごとに注意すべき点があり、いつも一律の結果になる訳ではありませんから、事前に資料をご準備いただき、きちんと試算をした上で弁護士から見通しのご説明を差し上げます。
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小規模個人再生で、債権者の反対がありました
小規模個人再生の案件で、名古屋地方裁判所に「再生計画案」を提出したところ、債権者1社から「不同意」の意見が提出されました。
こうしたお話をすると、小規模個人再生を検討されている方としては、この解決方法にリスクを感じ、少し不安になってしまうかも知れません。
しかしながら、債権者の不同意(反対意見と考えてください)が出る事はむしろ「滅多に無い」ことなので、その参考として今回ご紹介しております。
★補足:本件は「不同意」が1件出たものの、再生計画は問題なく認可されています。
当事務所では、小規模個人再生の申立を行った案件について、毎回「債権者の不同意が出たかどうか」を裁判所に確認しております。
2021年(令和3年)中に確認された債権者の不同意は、この1件のみでした。
これは、当事務所が「債権者の不同意リスクが高い案件(※1)」について、「不同意が出ないことを期待して、あえて小規模個人再生の申立を行う」という方針を、あまりお勧めしていないことも影響していると思います。
とはいえ、債権者の不同意が出るケースが相当に珍しいという事も、お分かりいただけると思います。
今回ご紹介したように、もし不同意が1件出たとしても、大多数のケースでは、その1件だけで再生計画が不認可にはなりません。
また、「複数の債権者が不同意を出してくる」という展開はさらにレアケースであり、当事務所の記録に残る範囲では確認されていません。
「小規模個人再生」は、債権者の不同意が一定割合を超えた場合、再生計画案が不認可となってしまうリスクが確かにあります。ご本人様としては「この解決方法を選択して大丈夫なのか?」という不安なお気持ちになることも、もっともだと思います。
しかし小規模個人再生は、自己破産とはまた異なるルールで、債務の大幅減額を実現できる大きなメリットを有する解決方法です。
最初から選択肢として除外してしまわず、正しい知識を得た上で、メリットとリスクの検討をしていただきたいと考えています。
ネットの情報などを見てお一人で判断をせず、まずは「名古屋駅前 弁護士の無料法律相談」を受けてください。
※1:債務総額の50%を超える大口債権者がいるケースや、債権者が2社しかいないケースでは、「債権者1社の不同意」だけで再生計画が不認可となってしまうため、例外的に不同意リスクが高まります。
こうしたケースでは、「給与所得者等再生」を選択可能かどうかについても、事前に検討しておく必要があります。
当事務所の無料法律相談にて、具体的な返済予定額の試算結果も含めた、詳しいご説明を差し上げます。
自己破産の書類作成打ち合わせを実施
ご依頼中の自己破産案件について、「破産手続開始申立書」を完成させるため、依頼者との打ち合わせを実施しました。
破産申立書類の作成手順には、決まったルールがある訳ではありませんが、当事務所では事前の調査結果や、依頼者に準備していただいた資料をもとに、あらかじめ関係書類の大枠を作成しておきます。
その上で依頼者との面談打ち合わせを実施し、ご本人から詳細な聴取や、事実関係の確認を行いつつ、「破産手続開始申立書」および関係資料一式を完成させます。
同時に、破産申立後の進行、想定されるリスク、破産手続上の注意点なども、弁護士から依頼者にあらためて直接ご説明します。
したがって裁判所への申立前に、最低一度は当事務所までご来所いただく形になります。
所要時間は、多くのケースで2時間~2時間30分程度です。
ご本人様にはご足労をお掛けすることになりますが、自己破産や個人再生は複雑な制度であり、申立準備もそう簡単なものではありません。
裁判所への申立前に、弁護士から再度のご説明を直接さしあげたい事項もあり、ご本人様から弁護士に質問・確認をしたい点や、ご心配な点もあると思います。
やはり弁護士が依頼者ご本人と会い、詳細を直接確認しつつ進めることが必要と、当事務所では考えています。
打ち合わせの時間帯については柔軟に対応しておりますから、何とかご都合を調整していただけるよう、ご協力をお願いしております。
打ち合わせの実施後、「破産手続開始申立書」を完成させ、管轄裁判所に代理人弁護士名義で自己破産の申立を行います。
申立後は案件内容に応じて、裁判所にて同時廃止か管財事件、いずれかに割り振られ、破産手続が進められていきます。
申立書類一式をきちんと作成・準備しておくことで、申立後の進行もスムーズなものとなります。
その完成度が、場合によっては「同時廃止か管財事件か」という裁判所の判断にも影響を与えるケースもあると思います。
一つ一つ、きちんと確認しつつ、適正な内容の申立書類を作成させていただきます。
具体的な進め方については、法律相談の際に、弁護士から詳しくご説明を差し上げます。
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給与所得者等再生とは?
■「給与所得者等再生」とは、2つある個人再生のうちの一つです。
■少し使いにくい制度のため、あまり用いられていませんが、使用条件に合致したケースでは、「債権者の反対によって再生計画が否決されるリスクが無い」という大きなメリットを発揮することができます。
■「可処分所得」試算のため、「源泉徴収票」「給与明細」が必要です。
実務上、この「給与所得者等再生」はほぼ用いられておらず(数%程度)、もう一つの個人再生である「小規模個人再生」を利用される方が圧倒的多数を占めています。
これは「給与所得者等再生」を選択した場合、「小規模個人再生」を選択した場合に比べて、返済総額がかなり高額になってしまうケースが多いためです。
ただ「小規模個人再生」には、「大口の債権者が反対してきた場合」や「半数以上の債権者が反対してきた場合」に再生計画案が認可されないというリスクがあります。
実際には、債権者の反対によって個人再生に失敗することは相当レアケースですが、具体的な債権者の構成によっては、このリスクを現実的なものとして警戒しなければならないケースも時々発生します。
「給与所得者等再生」は、「小規模個人再生」における債権者の反対(不同意)リスクを回避できる点が大きなメリットです。
ご本人の収入や家族構成によっては、「給与所得者等再生」を選択した場合でも、さほど返済総額が高額にならず、解決手段として十分に選択可能というケースも実際にあります。
あなたのご事情は、「給与所得者等再生」を用いるメリットがあるでしょうか?
「給与所得者等再生」を選択した場合の返済予定額は、どの程度でしょうか?
弁護士が詳しく診断します。
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当ページのコンテンツ一覧
給与所得者等再生を検討すべきケースの一例
- 負債総額の半分以上を、1社で占めている大口債権者がいる場合
- 債権者が1~2社と、ごく少数の場合
こうしたケースで「小規模個人再生」を選択した場合、1社の不同意があっただけで再生計画が否決されてしまいますから要注意です。
この状態を前提とした「小規模個人再生」は、非常に大きなリスクがあると言わざるを得ません。
債権者の意向に影響されない「給与所得者等再生」を用いることで、このリスクを回避することが可能となります。
給与所得者等再生 返済予定額の計算方法
比較上、「小規模個人再生」の場合からご紹介します。
返済総額を算出するにあたり、「小規模個人再生」では2つのルールがありました。
<小規模個人再生の返済総額 計算方法>
A:負債総額から算出される金額(最低100万円、または負債総額を
5分の1にした額の大きい方)
B:あなたの資産総額(清算価値)
この「A」「B」について、それぞれ別個に計算を行い、金額の大きい方が「小規模個人再生」における最低弁済額になります。※負債総額1500万円までの場合
「給与所得者等再生」においては、上の「A」「B」に加えて、3つめの基準「C」が加わります。
<給与所得者等再生の返済総額 計算方法>
A:負債総額から算出される金額(最低100万円、または負債総額を
5分の1にした額の大きい方)
B:あなたの資産総額(清算価値)
C:「可処分所得」の2年分
「可処分所得」とは、ご本人の収入から、住宅費や生活費や税金を差し引いた後の、手取額というイメージでよいかと思います。
ただ、この「可処分所得」は、あなたの実際の手取額ではありません。
源泉徴収票の記載や、居住地域、ご家族の年齢などの基本情報を、あらかじめ用意された計算式にあてはめて、機械的かつ定型的に算出されます。
無料法律相談の際、弁護士が試算させていただきます。
給与所得者等再生では、上記「A」「B」「C」のうち、「最も高い金額」が最低弁済額になります。
一般的な傾向としては、「C(可処分所得)」の計算結果がかなり高額になるため、「給与所得者等再生を選択した場合」の弁済総額は、「可処分所得の2年分」が最低ラインとなるケースが多くなります。
給与所得者等再生 具体的な返済額試算モデル
上記の3基準を用いて、実際に検討してみましょう。
<給与所得者等再生 モデルケース>
- 基準【A】(負債総額の基準):負債総額600万円
→ 5分の1である120万円 - 基準【B】(資産総額):預金・保険・退職金など全財産合計:100万円
※退職金は、原則的に支給予定額の8分の1で評価 - 基準【C】(可処分所得の2年分): 300万円
このモデルケースでは、「A」「B」「C」の計算結果のうち最も高額な結果である基準「C」の300万円が、給与所得者等再生を行った場合の最低弁済額になります
可処分所得は高額になりがちですから、給与所得者等再生を選択すると、「あまり債務総額が減らない」「返済予定額が高くなりすぎて、返済しきれない」という結果になることも珍しくありません。
「給与所得者等再生」を選択可能なケースは、「小規模個人再生」も選択可能です。そして通常、小規模個人再生を選択する方が、最低弁済額はより少なくなります。
上記モデルケースで言えば、小規模個人再生を選択した場合の最低弁済額は、「A」「B」の高い方ですから、「A」基準による120万円となります。
もちろん小規模個人再生には「債権者の不同意による再生計画の不認可」というリスクがありますが、実際に不同意が出るケースはごく少数です。
こうした理由から、前述したような「債権者の不同意リスクを現実的に警戒すべきケース」に該当しない限り、実務上は大部分の方が小規模個人再生を選択している状況となっています。
給与所得者等再生が通りやすいケースとは?
例えば、「配偶者が専業主婦で、未成年の子が複数いるご家庭」は、収入に占める生活費の割合が高くなりますから、働いているご本人の「可処分所得」は低くなる傾向があります。
可処分所得が低い場合、給与所得者等再生を選択しても、それほど弁済総額は高額化せず、現実的な解決手段として検討することも可能なケースは実際にあります。
言い換えてみると、「月々の収入の大部分が、家賃や家族の生活費など、最低限必要な支出でほぼ消えている方」は、類型的には可処分所得が低い結果となり、給与所得者等再生が通りやすくなる傾向があると言えます。
(ただ、あまり可処分所得が低い家計の場合、今度は返済能力が不足する状態が強まりますから、程度の問題にはなります。)
一方、「単身者の方」や「実家住まいの方」は、一般的に「可処分所得」は高額になりがちです。
給与額がそれなりに高い単身者の方となれば、可処分所得がかなり大きくなることが予想され、給与所得者等再生という解決方法が、あまり適さないケースも出てくるかと思います。
とはいえ「債権者の不同意リスクが高く、小規模個人再生では不安がある」という事情がある場合には、「弁済総額が多少高額になったとしても、給与所得者等再生を選択せざるを得ない」という判断も、実際にはあり得るでしょう。
このように「可処分所得」が増える要因、減る要因はそれぞれ複数あります。
おおまかな見通しだけでは具体的な計画が立てられませんから、実際には関係資料を全てご用意いただいた上で、きちんと計算してみることが必要です。
給与所得者等再生の検討が必要と思われるケースでは、事前に関係資料をご準備いただき、無料法律相談の際、可処分所得の試算も行っています。
★★こちらもご覧ください
系列会社の代位弁済にも注意!
弁護士に個人再生や自己破産を依頼されると、特に銀行系ローンについては、系列の保証会社によって代位弁済が行われます。
<借り入れ先 モデルケース>
- 債務総額:450万円
- 債権者
1 三井住友銀行 :200万円
2 プロミス(SMBC) :100万円
3 アイフル :100万円
4 アコム : 50万円
このケースでは、「給与所得者等再生」を選択肢として検討すべきでしょうか?
一見、債権者の不同意リスクが顕在化する「負債総額の半分以上を単独で有している大口債権者」が存在するケースではないようにも見えます。
しかし、このケースで実際に個人再生の準備を開始した場合、三井住友銀行の債権200万円は、系列の保証会社であるプロミス(SMBCコンシューマーファイナンス)によって代位弁済されることが通常です。
結果、プロミスは元から有していた債権100万円に加えて、代位弁済による債権200万円も取得し、負債総額の半分以上を単独で有する合計300万円の大口債権者となることが予想されます。
したがって、このケースでは「給与所得者等再生」の選択可能性を正面から検討すべきです。
このように、後で大口債権者が生じるケースは時々ありますから注意してください。
実際には、しばらくしてから更に別の債権回収会社などに債権譲渡される可能性もあり、最終的な債権者構成を読み切ることは難しいですが、少なくとも系列会社による典型的な代位弁済は、当初から警戒しておくべきです。
「楽天銀行」と「楽天カード」の両方から借りている方、「三菱UFJ銀行」と「アコム」の両方から借りている方も多いので、こちらも注意が必要です。
こうした理由から「どの会社から、いくら借りているか」については、無料法律相談の際、可能な限り詳しくご説明をいただきたいと考えております。
給与所得者等再生 まとめ
「給与所得者等再生」は、少し使いづらい解決方法ですが、「小規模個人再生」を選択した場合に債権者の不同意リスクを無視できないケースでは、解決手段としての存在感が高まってきます。
また、お持ちの財産総額が非常に多く、「小規模個人再生」と「給与所得者等再生」、どちらを選択しても、財産総額によって最低弁済額が決まるケースもあります。
こうしたケースについても、債権者の不同意リスクがない「給与所得者等再生」を選択する実益があると言えるでしょう。
「給与所得者等再生」が選択可能と思われるケースについては、当事務所からも積極的にご提案を差し上げておりますので、一度ご検討いただければと思います。
無料法律相談の際に、関係資料をお持ちいただければ、可処分所得や具体的な返済予定額の詳細な試算が可能です。
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